本稿では近年の米国におけるサステイナブルな都市・交通計画の中心的な概念となっているスマート型成長政策 (smart growth) を取り上げ, その背景から応用事例に至るまで, 分かり易い解説を行うことを目的とする. 特にその特色や実施上の障害を検討した上で, 具体的にどのような先進的な試みが進められているかについて整理を行った. 土地利用マネジメントやインフィル型開発及び遠隔通信技術の活用まで含めて広い見地からスマートグロースを取り上げている. また, プライシングによる都市政策には限界があり, むしろスマート型成長政策の導入によって, 今後さらに多様化が進むと考えられる都市居住者に対して, 幅広い選択肢を提供していくことの重要性を指摘した.
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