生後3ヵ月より低フェニルアラニン (Phe) ミルクによる食餌治療を行って来た
フェニルケトン尿症
(PKU) の1例において, 学齢に達し, 学校給食が開始されたため, 摂取Pheが増加し, 血清Pheレベルがしばしば20mg/d
lを越えるようになった. この時の脳波で, 左中側頭・中心部に棘波を認め, 制限を強化し, 血清Pheレベルが20mg/d
l以下に保つことができたときには脳波は正常化した. 血清Pheレベルが20mg/d
lを越えていたとぎには, 落ち着きがない, 集中力に乏しいなどの症状が認められた.以上のことから, この症例においては, 20mg/d
lという血清Pheレベルが, 脳波異常を呈するかどうかの上限値と考えられ, 学齢以降もPhe摂取制限を続けるべきことが示唆された. 脳波がPhe摂取制限を続けるべきか否かの重要な一示標になると考えられた
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