【目的】パスタの種類は多種多様であり,特にショートパスタには,マカロニ,ペンネ,
フジッリ
等,形状そのものが大きく異なる多様なタイプがある。日本で流通するパスタの調査を行いタイプ分類を行ったところ,同じ名称のパスタであっても形状・大きさ等が異なるものがあり,商品によって茹で加熱中の吸水率に差があることが推察された。吸水率の差はパスタ料理の仕上がりや,茹で麺重量当たりのエネルギー量に影響を与える。そこで本研究では,形状・大きさが異なる各種パスタの茹で加熱中の吸水倍率を把握することを目的とした。
【方法】2022~2023年にかけて東京都内・近郊のスーパーマーケット,輸入食品店で販売されているパスタ約350商品を入手し,その内のショートパスタ全種類の茹で加熱後の吸水率を調べた。茹で時間はパッケージ記載の標準茹で時間(以下,標準),標準-2分,標準+4分の3段階とし,それぞれの吸水倍率(茹で加熱後の重量/乾燥パスタ重量)を算出した。
【結果】早ゆでタイプのパスタにおいて,茹で時間の差による吸水率への影響が大きかった。また,
フジッリ
,ペンネはメーカーによって異なり,標準の吸水倍率は1.8~2.6となった。同じ名称のパスタであっても加工方法,形状,大きさ等が異なることで吸水率に差が生じ,重量当たりのエネルギー量,ソースのからみ具合等に影響を与える可能性が示唆された。なお,本研究にて使用したショートパスタの画像と詳細情報についてはwebサイトにて公開し,パスタ調理の際の参考資料として提供する。
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