小学校から中学校,更に高等学校へと進むにつれて,いわゆる「理科ぎらい」の生徒が増加していることは,知悉されていることである.殊に,高等学校における物理に対する拒否反応は著しく,新教育課程における物理の履修希望者は,本誌論文においても指摘されているように,大幅な減少が見込まれている.生徒に言わせれば,「理屈ばかりが多すぎる」「ややこしい計算で頭が痛くなる」物理の授業を楽しく「物理ぎらい」を少なくするには,担当する教員の見識と資質にまつところが大きい.特に,観察・実験などを通して原理・法則を理解させようとしているかどうかが大切なポイントとなろう.そこで,兵庫県立高等学校で物理を担当している教員を対象にして,学習指導に関する実態と意識について調査を実施した.
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