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292件中 1-20の結果を表示しています
  • ―構成主義的政策過程論に基づく分析―
    松井 剛太
    保育学研究
    2018年 56 巻 2 号 18-29
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/31
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,カナダのオンタリオ州と

    ブリティッシュコロンビア州
    における全日制幼稚園の政策過程を分析することであった。理論枠組みには,構成主義的政策過程論を用いた。その結果,オンタリオ州と
    ブリティッシュコロンビア州
    のいずれも,政策提案,幼児期の学びに関するガイドラインの作成,全日制幼稚園に関する最終提言,政策決定という過程で全日制幼稚園の導入がなされていた。両州ともこの過程を通して,幼児教育の教師や州民に向けて,全日制幼稚園に関する社会的潮流を拡大したことが示唆された。さらに,オンタリオ州,
    ブリティッシュコロンビア州
    とも州最大の大学であるトロント大学,ブリティッシュコロンビア大学が政策過程に深く影響を及ぼしていたことがわかった。最後に,オンタリオ州,
    ブリティッシュコロンビア州
    の政策過程が,カナダ全域における全日制幼稚園導入の動向に関わっていた。

  • GRAHAM E. GILLESPIE
    日本水産学会誌
    2007年 73 巻 6 号 1133-1137
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/26
    ジャーナル フリー
      カナダ
    ブリティッシュコロンビア州
    の潮間帯で報告されている 41 種の外来種について解説する。本海域の生物多様性は,バンクーバー島西海岸やジョージア海峡で高く,カナダ
    ブリティッシュコロンビア州
    北部で低く,それぞれ外来種の影響は異なる。外来種が導入された原因については,古くは養殖業によるものが多く,近年ではバラスト水など船舶の運航に関連した形で導入されることが多い。外来種の影響は今のところ比較的小さく,2 種(マガキとアサリ)については養殖並びに漁業資源として有効利用されている。(浜口昌巳 訳)
  • 坂本 優紀, 鈴木 修斗
    E-journal GEO
    2024年 19 巻 1 号 29-39
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/06
    ジャーナル フリー

    国内で栽培されたブドウを原料に生産される日本ワインの消費量が増加している.日本ワインは製品としての価値だけでなく,農地の再生やツーリズムなど多方面にわたる地域的影響が期待されている.本稿では国内でも有数の日本ワインの生産量を誇る長野県および塩尻市を事例に,ワインを活用した地域振興策とワインツーリズムの現況を報告する.長野県は2013年に信州ワインバレー構想を計画し,ワイナリーの増加やプロモーション活動に力をいれてきた.2023年にはそれを引き継ぐ信州ワインバレー構想2.0が策定され,ワインを活用した観光や地域づくりへの展開が期待されている.県全体での取組みが進む一方,伝統的産地である塩尻市でもワインを活用した地域振興が市町村合併を契機として行政を中心に推進されるようになった.現在は大規模なイベントの開催などワインツーリズムを推進する取組みが展開されており,第一次産業から第三次産業に渡る活用がなされている.

  • 商品化する農村空間の多様性とその特徴
    *田林 明, 矢ヶ崎 典隆, 菊地 俊夫, 仁平 尊明, 兼子 純, ワルデチュック トム
    日本地理学会発表要旨集
    2015年 2015s 巻 506
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/13
    会議録・要旨集 フリー
    先進国では1980年代から、これまで基本的には農産物の生産の場としてみなされていた農村が、余暇や癒し、文化的・教育的価値、環境保全など、その他の機能を持つ場として捉えられることが多くなった。このように、農村空間の生産機能が相対的に弱まり、消費活動が盛んになることを「農村空間の商品化」として捉えることができる。この報告では、魅力的な自然景観が展開し、多様な農業が営まれ、都市住民のレクリエーションや農村居住をはじめとして様々な形の農村空間の商品化が進んでいるカナダの
    ブリティッシュコロンビア州
    において、農村空間の商品化がいかなる形態で、どのように進み、それによっていかに農業・農村が維持されているかを明らかにする。
    ブリティッシュコロンビア州
    において農村空間の商品化が進展しているのは、(1)バンクーバー島と(2)ローアー・メインランド、(2)オカナガン、(4)トンプソン・カリブーの各地域であることが、フィールドワークによって明らかになった。バンクーバーに近接するローアー・メインランドでは、ホビー農業や農産物直売所、農場ツアー、摘み取り、ワインツーリズム、乗馬、農村居住など多様な商品化がみられた。バンクーバー島南東部でも商品化は多様であったが、スローフード運動とそれによるローカルフードの消費が地域を特徴づけるものであった。また、カナダを代表する果樹生産地として知られるオカナガン地域を象徴するものは、ワインツーリズムであり、ワイナリーとレストランとホテルが結びついて多くの観光客を引きつけている。大規模な牧場地域であったトンプソン・カリブー地域では観光牧場への転換、酪製品のブランド化といった農村空間の商品化が重要である。全体として
    ブリティッシュコロンビア州
    では、農村空間の商品化が日本よりも、それぞれの地域の条件を反映して多様に展開しており、それが地域の産業や社会を維持するために重要な役割を果たしていることがわかった
  • *田林 明, 菊地 俊夫
    日本地理学会発表要旨集
    2018年 2018s 巻 831
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/27
    会議録・要旨集 フリー
    研究の課題 先進国の農村空間では生産機能が相対的に弱まり、消費機能が強まっている。そして様々な農村資源を消費者に提供することを、農村空間の商品化と捉えることができる。発表者らは、2014年以降カナダの
    ブリティッシュコロンビア州
    において、農村空間の商品化がいかなる形態で、どのように進み、それによっていかに農業・農村が維持されているかをフィールドワークによって明らかにしようとしてきた。この報告は、農村資源の主要な消費者である都市住民にとって、農村空間の商品化はどのような意味を持っているのかを、地域差に着目しながら検討する。
    農村空間の商品化の地域差 ここでは連続した市街地を除く地理空間を農村空間とすることから、
    ブリティッシュコロンビア州
    には場所によって多様な農村空間の商品化と都市住民の消費活動がみられる。まず、(1)バンクーバー大都市圏の都市農業は、都市住民にとって日常的な緑地空間や余暇空間、アメニティ空間の創出という役割を担っている。(2)ローワー・フレーザーバレーは、大都市への農産物の供給地というだけではなく、都市住民が週末などに日帰りで農場を訪ね、農産物を生産者から直接入手し、農村の友好的な雰囲気にふれることができる地域である。(3)オカナガン地域の農村空間の商品化はワインツーリズムによって象徴され、観光シーズンにはカナダ各地からも多くの人々が訪れる。(4)内陸のトンプソン・カリブー地域は、かつては粗放的な大規模牧畜地域であったが、オーガニックの牛乳生産に専門化したり、醸造用のブドウを栽培しワインを醸造したり、大規模な野菜栽培に転換することによって、ブランドをつくり独自の販路を開拓するようになった。農地の周辺の丘陵地や湖に面した場所では別荘地が多く、主としてバンクーバー大都市圏の住民が利用している。(5)バンクーバー島南部は、ローカルな産物に基づくスローライフによって特徴づけられ、退職者が老後を過ごす場所として、カナダ全体から高く評価されている。(6)南東部のクートニー地域では、地元消費を念頭においた小規模で集約的な有機農業が盛んである。(7)北東部のピースリバー地域は、世界市場向けの穀物と肉牛の生産地であるが、アラスカハイウエーのゲートウエーとして、世界ジオパークなどの存在から、カナダのみならずアメリカ合衆国からの観光客を引きつけている。(8)さらに国立公園や州立公園が多い山岳地域には、世界中から多くの観光客が訪れる。
    農村空間の商品化による都市-農村共生システム 
    ブリティッシュコロンビア州
    では、人口分布や農業、土地資源など地域の条件を反映して、農村空間の商品化が多様である。その多様性は、時間的には消費者の日常的なものから、週末、年次休暇、退職後といった違い、空間的には地元、バンクーバー大都市圏、カナダやアメリカ合衆国、そして世界からの消費者といった違いを反映しており、全体として地域の産業や社会を維持するために重要な役割を果たしている。
  • 石井 弘明
    日本生態学会誌
    2010年 60 巻 1 号 41-42
    発行日: 2010/03/31
    公開日: 2017/04/20
    ジャーナル フリー
  • 自然撹乱体制に着目して
    *森 章, ラーツマン ケン
    日本森林学会大会発表データベース
    2008年 119 巻 D26
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/03/14
    会議録・要旨集 フリー
  • *田林 明, 菊地 俊夫, ワルデチュック トム
    日本地理学会発表要旨集
    2017年 2017a 巻 721
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/26
    会議録・要旨集 フリー
    研究の課題 この報告では、カナダの
    ブリティッシュコロンビア州
    のクートニー地域において、どのような形での農村空間の商品化がみられるかを、主として事例農場の観察に基づいて明かにする。クートニー地域は
    ブリティッシュコロンビア州
    の南東端に位置し、面積5.8万km2、人口14.6万の地域である。肉牛の放牧と牧草生産が農業の中心であるが、クートニー川やコロンビア川沿いの低地やロッキートレンチなどでは、果樹やベリー類、野菜の生産、養豚や養鶏、養蜂などが行われている。
    有機農業によるダイレクト・マーケッティング キャスルガーの北10kmに位置するG農場は、30歳代前半の夫婦が2015年に始めた野菜農場である。0.5haの耕地と5aの温室で、40種類以上の野菜を有機農法によって栽培している。CSA(Community Supported Agriculture)によって、40人の消費者に野菜ボックスを届けるほか、ファーマーズマーケットやクートニーCOOPなどに出荷している。ネルソンの北西20kmにあるR農場も0.6haの耕地で70種類にものぼる有機野菜を栽培している。労働力は30歳代後半の経営主夫婦と2人の研修生である。この農場でもCSAによる出荷と自分の直売所やファーマーズマーケット、クートニーCOOPで野菜を販売している。クランブルクの北西15kmに位置するF農場も2.8haの耕地で野菜やベリー類の有機栽培や養蜂を行い、さらにパンを製造し、それを農場の直売所やファーマーズマーケットで販売している。
    畜産農場でも有機農業が増加している。クレストンバレー南部にあるK農場は200haの農地で飼料を有機栽培し、約100頭の搾乳牛を飼養している。生乳とチーズを、クートニー地域全域に販売している。2005年頃に、通常の酪農から有機農業に転換した。クランブルックの東20kmに位置するC牧場は2012年に始まったもので、65haの放牧地で200頭の羊、11頭の肉牛、130頭の豚、2000羽の鶏を放し飼いにしている。クランブルックの業者によって処理された肉類は、周辺の都市のファーマーズマーケットやクートニーCOOPで販売され、さらにレストランにも供給される。
    クートニー地域における農村空間の商品化 クートニー地域では人口が少ないことや輸送コストが高いことが、地元向けの食料生産を拡大させている。地元産の新鮮・高品質で、安心・安全の農産物に対する需要が高まっており、それがこの地域での有機栽培とダイレクトマーケティングの発展につながっている。その際に大きな役割を果たしているのがクートニーCOOPであり、各地のファーマーズマーケットである。農産物に付加価値をつけて地元の需要に対応するという形の農村空間の商品化が、この地域の特徴である。
  • 田林 明
    E-journal GEO
    2017年 12 巻 1 号 159-163
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル フリー
  • 「応用技能」からADSTへ
    渡瀬 典子
    日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
    2017年 60 巻 P26
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/08/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】 技術革新や急激な社会変化を背景に,学校教育の意義・役割に関する様々な議論・検証が国内外で試みられてきた。本報告の対象であるカナダの
    ブリティッシュコロンビア州
    (以下,BC州と記載)は,2002年から2年間かけて同州の「児童・生徒が身に付けるべき能力」の具体を大規模調査で抽出し,州のカリキュラムに反映させるべく教育改革をしてきた。そして,このカリキュラム施行から10年余が経過し,2016年度から新たな枠組みによる初等教育カリキュラム,そして2018年度には中等教育において新カリキュラムの完全施行を目指す改革が進められている。
     カナダでは州ごとに教育制度が構築されている。同州の家庭科教育は,2007年のカリキュラム改訂(2008年9月から施行)で,Applied Skills(以下,「応用技能」と記載)の選択科目としてGrade8-12に置かれた(渡瀬 2009)。現在,BC州のカリキュラムは移行期にあり,先述した2007年改訂カリキュラムとは異なる状況になりつつある。
     そこで,本報告は(1)BC州の新カリキュラムにおいて,履修時期・開講科目の面で家庭科教育がどのように変わった/変わらなかったか,(2)能力論との連動の中で,家庭科教育がどのように位置づけられたかに注目する。以上の検討を踏まえ,BC州の家庭科におけるカリキュラム改訂の特徴を明らかにすること目的とする。
    【方法】 分析にあたり,以下の文献資料(1)~(3)を用いる。(1)BC州のカリキュラム改訂に関する教育省文書,(2) カリキュラムの考え方について具体化を担うIntegrated Resource Packages(以下,IRPと記載)『Home Economics』と補足資料(2004),(3)『Applied design, skills, and technology』(2016)
    【結果】 家庭科を含む旧カリキュラム「応用技能」は,新カリキュラムにおいて「Applied design, skills, and technology(以下,ADSTと記載)」に名称変更された。名称変更の理由として「この学習の範域・本質をより適切に捉えるため」としている。これまでのカリキュラムと比べて履修時期・開講科目の面で大きく異なるのは,ADSTが初等教育(K-7)でも位置づけられたことが挙げられる。家庭科関連科目ではGrade6-7で「Food studies」と「Textiles」が開設され,初等教育でも家庭科の学習機会が設定された。また,ADSTでは「基礎(K-Grade5)探究(Grade6-9)専門化(Grade10-12)」という系統性を意識し,上述の2科目はGrade12まで設定されている。家庭科に関するその他の科目・領域の履修時期は,「家族」に関する学習(Grade10・11),「保育」,「住居」に関する学習(Grade12)で,旧カリキュラムの「応用技能」と比べて履修時期が限定されている。また,学習方法の特徴には,「ものづくりなどの直接体験」の重視,コミュニティとのつながりを意識した学習場面,(職業キャリア形成につながる)資格取得が挙げられている。
     新カリキュラムでは「思考・コミュニケーション・個人/社会」に関わる能力を「核となる能力(Core Competencies)」に置き,全教科の学習から能力育成を目指している。また,カリキュラムモデルとして「Know-Do-Understandモデル」を提示し,各科目の能力目標の具体化が図られている。旧カリキュラムの「応用技能」とADSTの家庭科関連科目を比較すると,ADSTでは「技術習得」の視点以外に,生活行為がもたらすライフサイクルへの影響・社会(人・環境)への配慮の視点が鮮明である。また,BC州の先住民文化の学習内容が新たに組み込まれている。BC州の教育改革に現れる方向性は,日本の学習指導要領改訂の考え方にも共通する箇所があり,今後の日本の家庭科教育を考えるうえでもその動向に注目していきたい。
  • 統計分析による農業地域区分
    *仁平 尊明
    日本地理学会発表要旨集
    2015年 2015s 巻 505
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/13
    会議録・要旨集 フリー
    本研究はカナダ・
    ブリティッシュコロンビア州
    における農村空間の商品化を把握するために、統計と多変量解析により、同州の農地業地域区分を解明する。本研究で使用する統計は2011年の農業センサスであり、地図は29の統計区である。39の指標に基づいたクラスター分析の結果、次の8つの農業地域を設定する。(1)バンクーバー島および(2)太平洋沿岸には、高い所有地率を示すクラスターAと、低い農業生産性を示すクラスターCが混在する。(3)太平洋沿岸北部には、野菜と温室を示すクラスターBが分布する。(4)フレーザー川下流域に位置し、最大都市のバンクーバーを有するローアーメインランドは、小規模経営と果樹を示すクラスターEと、乳牛・養豚と高い資本装備を示すクラスターDである。(5)ワイン生産で知られるオカナガンはクラスターEである。(6)フレーザー川中流域に位置するトンプソンからカリブーにかけては、肉牛を示すクラスターFが広範囲を占める。(7)ロッキー山麓を含むクートニーは、クラスターCとFである。(8)大平原の北端であるピースリバー地域は、大規模土地利用を示すクラスターG、および飼料作物と馬を示すクラスターHである。
  • 菊地 俊夫
    農村計画学会誌
    2019年 38 巻 1 号 15-18
    発行日: 2019/06/30
    公開日: 2020/06/30
    ジャーナル フリー
  • 日本助産学会誌
    2006年 19 巻 3 号 3_184-3_193
    発行日: 2006/02/02
    公開日: 2008/02/29
    ジャーナル フリー
  • 「Home Economics10」と「Planning10」
    *渡瀬 典子
    日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
    2005年 48 巻 m2
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/01/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    カナダの
    ブリティッシュコロンビア州
    (以下、BC州と記載)は州の教育スタンダード、IRP(Integrated Resource Package)が定められている。同州の教育法は各初等・中等学校にIRPを基盤としたカリキュラム構築を推奨し、各学校は生徒の実情等に合わせて開講科目を決定している。家庭科はApplied Skills(応用技能)の一選択科目としてGrade8-12段階に置かれている。IRPの構成は、「予想される学習成果(Prescribed Learning Outcomes:PLO)」に対応する形で「指導戦略例(Suggested Instructional Strategies」、「評価戦略例(Suggested Assessment Strategies)」、「推薦学習資料(Recommended Learning Resources)」を提示している。
    BC州の家庭科教師はApplied SkillsのHome Economics科目だけでなく、「Planning」,「Tourism」等の科目を兼担する場合がある。この状況を受け、「1)IRPの利用に関する教師の意識」、「2)卒業要件関連のカリキュラム改訂(2004)に伴う『Home Economics10』と『Planning10』の特徴と変化」に注目し、IRPの活用状況とBC州での家庭科の学習状況について報告する。【方法】 BC州の教育省調査結果(2002年6月実施、N=2,954)とBC州の家庭科教師及び教育実習生(フ゛リティッシュコロンヒ゛ア大学)への聞き取り結果(2005年7,8月実施)・・・1)2)、IRP『Home Economics 8 to10(1998)』と補足資料(2004)、『Planning10(2004)』等を用いる。
    【結果】
    「IRPの内容をどの程度授業で言及するか」という問いを見ると、半数強の教師が「ときどき」「通常」と回答している。また、教職歴とIRPの利用についてみると、教職歴が少ないほどIRPを参考にする割合が高い。また、IRPの構成要素のうち「予想される学習成果(PLO)」が最も参考にする頻度が高く、実用性があると評価されていた。家庭科担当の教師、教育実習生の聞き取りでも、指導案やシラバス作成上で、PLOを参考にしていた。しかしながら、「内容が曖昧で、もう少し具体的な規定がほしい」、「IRP導入以前と授業内容にはあまり違いがない」という声も聞かれた。この背景には、IRPの利用が教師の裁量に任されていること、教師の(他科からの)トランスファー、等の要因がある。
    中等学校の卒業プログラムが2004年9月入学者から改訂になり、2年間(Grade11-12)から3年間の卒業プログラム、「卒業ポートフォリオ(Graduation Portfolio)」の必修化が打ち出された。また、必修科目「Career and Personal Planning(CAPP)」が「Planning10」という科目になり、「教育とキャリア」「健康」「ファイナンス」を柱とする学習とともに、「卒業ポートフォリオ」作成支援を含むことになった。「卒業ポートフォリオ」は、6領域(美術・デザイン、コミュニティ活動への参加、教育・キャリア計画、雇用適正能力、情報工学、健康管理)の中から生徒が1つを選択し、実際の取り組みを経た後、まとめ、報告する学習活動である。
    家庭科でも「Home Economics10」のPLOの視点に「計画と問題解決(Planning and Problem Solving)」「状況背景(Contexts)」「技術的能力(Technical Competence)」が加わり、「卒業ポートフォリオ」支援の方向を示している。「状況背景」では、文化的背景を含むが、カナダは「多文化主義(multiculturalism)」をとり、同国の「多文化主義法」においても移民者の文化を尊重することが定められている。以上の背景を受け、カナダの大都市圏では90年代以降、移民の流入が爆発的にすすみ、BC州の大都市圏もその例にもれない。個々の生徒が持つ文化をどのように授業で出会わせ、学びを深めていくか、現在の授業開発の課題となっている。
  • 森 章
    保全生態学研究
    2007年 12 巻 1 号 45-59
    発行日: 2007/05/31
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    近年、生態系や景観レベルでの機能や動態を重視する管理り・保全方策に焦点が当てられている。特に森林生態系は多くの景観における主要要素であり、それゆえ生態系の健全性を包括的に維持する森林管理が、結果として、内包される遺伝子・種・個体群・群集、そしてさらには各森林生態系の存在する地域景観に至るまでの各レベルにおける多様性の維持に貢献できるといった、生態系を基準とした森林管理の概念が認知されるようになった。カナダ・
    ブリティッシュコロンビア州
    には、低頻度で起こる大規模な火事撹乱が規定する森林景観、高頻度・低強度の林床火事により維持されてきた内陸の乾燥林、小規模なギャップ形成が主要撹乱要因として卓越する太平洋岸温帯雨林など、様々な森林生態系が存在する。卓越する撹乱体制は州内でも地域ごとに大きく異なり、生態系の動的側面を重視しない管理方策により森林生態系を本来あるべき姿から変えてしまうことを避けるため、そしてすでに変化してしまった森林生態系の健全性の回復のためにも、近年自然撹乱体制に関わる研究が担う役割は大きくなっている。これは生態系を基準とした森林管理を実行する中で非常に重要と考えられている。そして現在、
    ブリティッシュコロンビア州
    では、森林を管理運営する立場の機関・団体が、現行の研究により得られる新たな知見を取り入れて、様々な撹乱により維持される森林の動的側面や森林景観の多様性を尊重しつつ、試行錯誤しながら管理方策を改善していく適応的管理が行われている。このように、最新の研究成果が実際の管理運営に反映されることは、これからの持続可能な森林管理において非常に重要であると考えられる。
  • 関 文威, 江原 有信
    日本海洋学会誌
    1980年 36 巻 1 号 30-34
    発行日: 1980/03/30
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    北海道の天塩川下流域において, 海水の潮河が微生物群集におよぼす影響を調査研究した. 天塩川の環境と, その場において淡水と海水の混合が微生物過程におよぼす影響は, カナダ・
    ブリティッシュコロンビア州
    のナナイモ川で観察されたものと酷似しており, 亜温帯における一般的な現象と考えられる.また, 現場における微生物の栄養摂取様式と有機物循環速度は環境勾配への迅速な反応を示しており, 環境アセスメントにおける徴生物活性測定の有用性を示唆している.
  • *小室 譲
    日本地理学会発表要旨集
    2020年 2020s 巻 214
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/30
    会議録・要旨集 フリー

    研究背景と目的

    国際山岳リゾートは,労働力需要の繁閑リズムが著しく変動する季節性の生じる観光目的地の一形態である.その反面,訪問者数が増加する一部の著名な国際山岳リゾートでは,必要な労働力を地域内部で調達できず,どのように外部労働力を吸引して地域労働市場が存立しているのかが不透明である(Ooi et al., 2016; Terry, 2016).

    本発表で対象とする

    ブリティッシュコロンビア州
    ウィスラーは,自治体主導の強力なガバナンスのもとで,訪問客増加とリゾート産業の通年化が進み,それに付随して労働力需要が拡大している国際山岳リゾートである.他方,土地開発により地価の上昇が生じたことで,家賃や生活費が高騰しており,労働力需要過多な地域労働市場が形成されている.本報告では,労働力需要の増加する国際山岳リゾートにおいて,地域労働市場存立のために外国人労働者が果たす役割を,ウィスラーの事例により検討する。

    結果と考察

    非都市圏で通勤圏の限られたウィスラーでは,市民権労働者(地域住民)に加えて,外国人労働者が労働力供給源として重要である。彼らの滞在パターンは,定住,定住志向,季節滞在の3種類存在する.また,それぞれの労働者は,労働市場におけるさまざまな職階級や雇用形態に対応することで,労働力の需給関係が成立している.

    その一方で,外国人労働者のビザの保有状態や出身国などの属性,国際移動目的に注目すると,異なる生活形態やキャリア経歴,将来の意向を有する複数タイプの外国人労働者が存在することが明らかになった.それらは,「キャリア構築」「レクリエーション重視」「賃金・永住権獲得」に分けられた.これまで,国際山岳リゾートにおける外国人労働者は,経済移民を除いて,レクリエーションを重視し,移住先で新たな事業サービスの創出や地価の上昇といった地域社会の経済的価値の向上に寄与する一面をもつこと(Ooi et al.,2016)が指摘されてきた.それに対して,キャリア構築型では,一部の大都市同様に,キャリア構築を第一義的な目的に国際移動するという一面がみられた.

    加えて,本研究では外国人労働者の移動・定住の過程に注目して定量・定性的に分析した.その結果,ウィスラーでは,労働力需要の拡大する局面において十分な内部労働力が供給できず,外国人労働者を取り込んだ地域労働市場が存立している.彼らは,語学や職業スキルを磨き,昇進や転職,起業を通じて永住権を獲得して定住する過程,およびワーキングホリデー・ビザをもち,またレクリエーション目的の実現指向をもつ季節労働者として発地国や次の移動先との間を循環する過程という,2つの過程をともない,地域労働市場の繁閑リズムや労働力需要に対応していることが明らかとなった。

    参考文献 

    Terry, W. 2016. Solving seasonality in Tourism? Labor shortages and guest worker programmes in the USA. Area 48: 111–118.

    Ooi, N., Mair, J. and Laing, J. 2016. The transition from seasonal worker to permanent resident: Social barriers faced within a mountain resort community. Journal of Travel research 55: 246-260.

    謝辞 本研究を進めるにあたって,公益社団法人日本地理学会「2017年度 斎藤 功研究助成」の一部を使用した。

  • *矢ケ崎 典隆
    日本地理学会発表要旨集
    2017年 2017s 巻 S1304
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/03
    会議録・要旨集 フリー
    カナダ西部の
    ブリティッシュコロンビア州
    の内陸に位置するオカナガンバレーは、この国有数のワイン生産地域として知られる。20世紀末から新しいワイン生産地域が急速に形成された。こうした地域の変化を読み解くためには、20世紀末以降のグローバル化の進展、新しいライフスタイルの登場、そして政府による産業振興政策を背景として、ルーラルツーリズムの一つの形態であるワインツーリズムに着目することが必要になる。すなわち、ワイン産業の発展は、農村空間の商品化の視点を導入することによって説明することができる。
    オカナガンバレーは、アメリカ国境の北側に、南北方向に150kmにわたって延びる谷であり、北からオカナガンレーク、スカハレーク、オソユースレークという湖が連なる。気候は比較的温暖で乾燥しており、19世紀後半にヨーロッパ系の入植者が植民を開始した。大陸横断鉄道の開通は地域の発展を促進し、リンゴやモモなどの果樹栽培が盛んになった。20世紀後半には、アメニティ産業の発展、別荘地開発、退職者コミュニティ、観光化、ワインツーリズムが進展し、人口増加と経済発展が実現された。
    ワイン産業は、地域外から資本、技術、経営者が流入することによって展開した。コロンビア州ワインインスティテュートのワイナリツアーガイドによると、2015年現在で136のワイナリーが立地する。地域的にみると、北部のケローナ地域、中部のペンティクトン・ナラマタ地域、南部のオリバー・オソユース地域にワイナリーが集中する。ケローナは内陸における経済と文化の中心地であり、多様な都市機能とワイナリーが混在する。ペンティクトン・ナラマタ地域では、果樹園からブドウ園への転換が進み、風光明媚な農村景観がワインツーリズムの基盤をなす。オリバー・オソユース地域では、西側の果樹地帯においてはブドウ園への転換が進んだし、東側では牧場に大規模なブドウ園が形成された。
    いずれの地域においても、ワインツーリズムの重要性は共通した特徴である。趣向を凝らしたワイナリー建物、試飲直売所、ワインツアー、併設レストラン、リゾート型宿泊施設は、多様なワインツーリズムを提供する。ワインフェスティバルも人々を引き付ける。
    新興ワイン生産地域の発展とワインツーリズムを読み解くカギとなるのは、カナダ人の生活文化である。ワインは人々の日常生活の一部であり、気に入ったワインをまとめて購入するのが一般的であるようにみえる。各ワイナリーがワインクラブをもち、固定客から注文を受ける仕組みも確立されている。地元の食材と地元のワインを楽しむという地産地消の発想が一般的であるように見える。これは日本におけるワインツーリズムとは異なる点である。すなわち、ワインツーリズムの基盤をなす人々の生活文化について、理解を深めることが重要である。
  • 菊地 俊夫
    地理空間
    2019年 12 巻 3 号 149-158
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/03/25
    ジャーナル オープンアクセス
    フィ−ルドワ−クは地理学が十八番とする方法であり,地理学のフィ−ルドワ−クは諸環境を複眼視して総合的に捉えるところに特徴がある。地理学のフィ−ルドワ−クの方法や見方・考え方は時代ととともに少しずつ変化している。昭和の時代のフィ−ルドワ−クは達人と呼ばれるような研究者による職人芸的な方法を重視してきた。しかし平成の時代になると,フィ−ルドワ−クの方法はマニュアル化・標準化され,個人情報の壁に抵触しない範囲でデ−タを集めるものとなった。令和の時代においては,地域コミュニティと共に活動しながらデ−タを取得する地域協働型フィ−ルドワ−クや,地域コミュニティと共に課題解決のために調査し地域づくりを行う地域共創型フィ−ルドワ−クが地理学の研究に新たな可能性を与えるものとなっている。
  • *兼子 純, 菊地 俊夫, 田林 明
    日本地理学会発表要旨集
    2018年 2018s 巻 P327
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/27
    会議録・要旨集 フリー
    1.研究課題と目的

    発表者らはこれまでカナダ・
    ブリティッシュコロンビア州
    (BC州)における農村空間の商品化の特性について明らかにしてきた。すでに報告されたローワーメインランド,オカナガン,バンクーバー島の事例は,カナダにあっても大都市の近郊に位置し,恵まれた自然条件を活かして農村空間を変容させていた。しかし,大消費地から遠隔に位置し,自然条件も厳しい地域はBC州の多くの部分を占める。本報告はそうした地域の事例として,BC州ピースリバー地域(PRRD,図1)を対象に,その農村空間の商品化の特徴を明らかにする。



    2.PRRDの自然条件と人文条件

     PRRDはBC州の北東部に位置し,面積は約12万㎢でBC州全体の13%を占める。西側にはロッキー山脈が連なり,地域の東部は緩やかな傾斜地となりアルバータ州の大平原へと続く。気候は大陸性気候で,年間平均降水量は350~500mmである。冷涼な気候で,無霜期間は100~110日(5月後半~9月前半)である。地域の名称の由来となったピースリバーは,ロッキー山脈に端を発し,ハドソンズホープにあるW.A.C. ベネットダムを経由して,地域を東流してアルバータ州へと続く。このピースリバー両岸の標高の低い地域が,農業適地となっている。

     広大な面積を持つ地域であるが,人口分布は希薄である。ただし,1996年の56,477から2016年の62,786と人口は増加している。都市(行政市)はフォートセント・ジョン(20,155人)とドーソンクリーク(12,178人)の二つであり,その他タンブラーリッジ,チェットウィンド,テイラー,ハドソンズホープ,ポス・クーペといった人口2千人未満の小地区や小村から構成される。地域の産業は,農業,観光,製造業に加えて,石油採掘や水力発電といったエネルギー産業や林業である。



    3.地域の農業と天然資源

     大都市の市場から遠隔に位置し,厳しい自然条件にもかかわらず,PRRDにおいて農業は最も重要な産業である。地域の農業はピースリバー両岸に沿った肥沃な土壌を持つ地域を中心に保全農地(ALR)おいて展開し,これらは人口分布地域とほぼ合致している。

     2016年の農家数は1,335で1990年代以降は漸減傾向にあるが,1農家当たりの耕地面積は増加している(2016年602ha/戸)。主要作物はコムギ,エンバク,オオムギ,アルファルファ,飼料作物,キャノーラである。その生育期間の短さから野菜栽培は少なく,ファーマーズマーケットの開催は盛んではない。

     PRRDの農地の至る所で目にするのは,石油の採掘施設である。当地では石油や天然ガスの埋蔵が豊富であり,フォートセント・ジョンでは主要産業となっている。PRRDにおける農家の59%がこうした産業への農外労働に従事しており,この割合はBC州全体よりも高い。

     

    4.タンブラーリッジでのジオパークへの取り組み

     人口規模は小さいものの,各自治体ではそれぞれの農村空間の特徴を転化させた観光への取り組みを行っている。ロッキー山脈という山岳地域との近接性を活かしたウィンターアクティビティ,ドーソンクリークにおけるアラスカハイウェーの起点0マイルポイントという街道の歴史性,チェットウィンドにおけるチェーンソーカービングによるまちづくりなどがある。なかでも2014年にタンブラーリッジが北アメリカで2番目の世界ジオパークに認定された。本報告では,わずか人口2千人弱の地区におけるジオパークの取り組みをはじめとするこの地域の特徴的な農村空間の商品化に関する活動の実態を紹介したい。
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