全球河川氾濫モデルの地形パラメータの一つである河道深を,衛星高度計による水面標高観測値を用いて,効率的に推定する手法を構築し,本手法をアマゾン川流域に適用した.初めに,双子モデルによる仮想の真値と観測値を用いたOSSE実験によって,流出量に不確実性がある場合でも,本手法で河道深が改善されることを確認した.また,実観測データを使用してアマゾン川の河道深推定を行った.手法に起因する誤差は生じるものの,水面標高や浸水率の観測値に対するモデル再現性が概ね向上し,補正の妥当性が確認された.今後は,横断面データのある地域で手法の検証が必要であるが,本手法は別地域にも適用できると考えられ,全球河道深データセットの構築が期待される.
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