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133件中 1-20の結果を表示しています
  • *望月 隆
    日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
    2005年 49 巻 SIII-1
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    Trichophyton (T.) tonsurans 感染症は 1990 年初頭から北アメリカ各地、スエーデン、韓国、ドイツなどの格闘技愛好者の間に流行している。本邦においては 2001 年から培養で本菌によることが確認された集団発生例が報告されたが、おそらく 1995 年頃以前から当初レスリング部員、その後柔道部員の間で集団発生が始まっていたと考えられる。昨年の本学会においては、本症の発生状況を明らかにするためにシンポジウムが行われ、本症が高等学校、大学などの柔道、レスリング競技者を中心にすでに全国的に蔓延していること、当初強豪校を中心としていた感染の範囲が拡大していること、家族への二次感染例があること、一般への拡散はいまだ確認されていないことなどが明らかになった。したがって、今後は効果的な治療、予防策の提案が急務と考えられる。現在のところ本症の診断、治療のガイドラインとしては「柔道選手の皮膚真菌症 ブラシ検査・治療・予防のガイドライン」(比留間政太郎他 編集室なるにあ 2003 年 9 月)、ならびに「Trichophyton tonsurans 感染症の診断・治療・予防のガイドライン2004」(T. tonsurans 感染症対策委員会編 順天堂大学医学部皮膚科学教室 2004 年 6 月)が提示されている。今回は一高等学校柔道部を対象とした
    ヘアブラシ
    によるサンプリングを通じて、
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    法を行うタイミング、特に乱取りを含む稽古の前後での
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    法の所見の変化、そして稽古直前の抗真菌剤外用の
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    法への影響についてのデータを添えつつ、ガイドラインの紹介を行う。(共同研究者:田邉 洋、河崎昌子、安澤数史、若狭麻子、石崎康子)
  • 國武 裕子, 野口 博光, 比留間 政太郎
    西日本皮膚科
    2010年 72 巻 2 号 136-140
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2010/06/25
    ジャーナル 認証あり
    2005年5月からの4年間に熊本の一診療所で経験されたT. tonsuransによる白癬の13例を報告した。年齢は11歳から18歳までの男性で,中学3例,高校8例の柔道部員が11例,兄が柔道部1例,小学生レスリング選手1例であった。臨床型は頭部白癬が6例(black dot型4例,炎症型2例),体部白癬が8例(顔5例,上腕1例,胸1例,大腿1例)で,頭部白癬と体部白癬の合併例が1例あった。全例に
    ヘアブラシ
    検査を行った。
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    検査陽性の体部白癬と頭部白癬の6例は塩酸テルビナフィン(TBF)の内服治療により2~3ヵ月後に菌は陰性化した。さらに症例の所属する7団体125名の調査で15例(12.0%)が
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    検査陽性であった。本症の治療及び公衆衛生的な管理のために,一診療所の役割について考察した。
  • 楊 彩佳, 山西 千晶, 下山 陽也, 槇村 浩一
    日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
    2015年 56.Suppl1 巻 P-26
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/04/03
    会議録・要旨集 フリー
  • 角谷 廣幸, 角谷 孝子, 望月 隆
    日本医真菌学会雑誌
    2005年 46 巻 4 号 279-284
    発行日: 2005/10/30
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    特別養護老人ホームの入居者1人,ショートステイ利用者1人,職員の1人にTrichophyton(以下T.)violaceumによる白癬が,職員の1人に同菌によると推測される白癬を生じた.さらに入居者の2人が同菌のキャリアであった.症例1:66歳女性.老人ホーム入居者.1ヶ月前に頭部に落屑性紅斑が生じ,その後徐々に顔面,頚部,躯幹に拡大した.頭部に毛孔一致性に黒点が多発.黒点部より摘出した毛髪のKOH所見は毛内性大胞子菌性寄生の像.形態及びPCR-RFLP法にてT.violaceumと同定し,同菌による頭部白癬及び体部白癬と診断.症例1と接触した可能性のある入居者21人,職員38人に
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    法を含む検診を施行した結果,入居者の85歳女性(症例2)の頭部,83歳女性(症例3)の頭部,職員の23歳男性(症例4)の右前腕からT.violaceumを分離.菌は分離されなかったが臨床的に右前腕の白癬が疑われる職員の24歳男性(症例5)の4人が新たに見出された.さらに症例1の初診の約1年後にショートステイ利用者の88歳の女性(症例6)にT.violaceumによる頭部白癬の発症が確認され,この老人ホーム関係者内で菌が保持されていた可能性が示唆された.PCR-RFLP法は短時間で同定結果が示されるため,治療法の選択や介護の際の注意をするため菌種による配慮が早めにでき有用であった.今回の集団感染の原因として,介助による皮膚の接触,洗髪の際の
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    の共用による菌伝播の可能性が考えられた.
  • *金子 健彦, 近藤 亨子, 槇村 浩一
    日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
    2007年 51 巻 P-73
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/08/08
    会議録・要旨集 フリー
    症例1:50歳女性。初診の4週前にアメリカンショートヘアをペットとして購入。その当初よりネコに脱毛あり。初診1週間より右手背に環状紅斑が出現し,徐々に拡大するため当科を初診。直接鏡検陽性。巨大培養では短絨毛状黄白色の集落を形成し、スライドカルチャーでは紡錘形で6~10個の房室を有する大分生子と分枝した菌糸を多数認め,Microsporum canisと同定。
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    法にてネコを擦過したところ,同様の培養結果を得た。テルビナフィンクリーム外用2ヶ月後に紅斑は消失。
    症例2:52歳女性。躯幹四肢に多数の環状紅斑認めたため当科を初診。直接鏡検陽性。培養所見よりM. canisと同定。飼いネコには明らかな病変を認めなかったが,
    ヘアブラシ
    法による培養にて同様の所見を得た。病変部とネコより得られた分離株を用いてITS1領域の塩基配列を決定し,データベースと照合したところ,両株の塩基配列は完全に一致し,Arthroderma otae ITS1 genotyep4 に相当した。
  • 望月 隆, 田邉 洋, 河崎 昌子, 安澤 数史, 石崎 宏
    日本医真菌学会雑誌
    2005年 46 巻 2 号 99-103
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    2004年6月に北陸・近畿地方におけるTrichophyton tonsurans感染症の流行状況について北陸真菌懇話会,関西真菌懇話会の皮膚科会員,施設(以下,施設)を対象にアンケート調査を行った.アンケートは185通発送し,このうち111通(59.4%)が返送された.T.tonsurans感染症の診断の経験は疑診例も含めて32通(28.8%)あり,地域では和歌山県以外の各府県にわたった.発生年次は1994~5年とした回答(富山県,高等学校レスリング部員,ただし培養はなし)が最も古く,ほとんどの施設は2001年から2003年にかけて初発例を経験していた.患者数では運動種目別では柔道,次いでレスリング,年齢層では高校生が最多であったが,社会人から中学生にまで流行しており,最年少は柔道教室の幼児例であった.74施設に対して,
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    を送付し,外来でT.tonsurans感染症疑診例からのサンプリングを依頼したところ,2004年7月から9月の間に21個の
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    が返送され,このうち6個からT.tonsuransが分離された.
    さらに当科が保存している北陸・近畿地方からの臨床分離株71株についてNTS領域のPCR-RFLP分析を行ったところ,流行が2つの分子型の菌に起因することが明らかになった.
  • 三宅 宗晴, 川原 繁, 川田 暁, 望月 隆, 比留間 政太郎
    皮膚の科学
    2011年 10 巻 1 号 76-80
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/10/12
    ジャーナル 認証あり
    症例1:8歳,女児。柔道教室に通っている。後頭部に円形の膿疱を伴う紅色局面があり,中央では脱毛あり。症例2:9歳,男児。症例1と同じ柔道教室に通っている。側頭部から後頭部にかけて広汎に鱗屑がみられ,一部に脱毛巣あり。症例3:5歳,女児。症例2の妹。両頬部に類円形の落屑性紅色局面が2ヶ所あり。3例とも,真菌の巨大培養,スライドカルチャー,および PCR-RFLP 法等により Trichophyton tonsurans 感染症と診断した。症例1はケルズス禿瘡型,症例2は脂漏性皮膚炎型,症例3は体部白癬型と考えられた。3例ともイトラコナゾール 1.7~2.8mg/kg/日の4週間内服により略治した。(皮膚の科学,10: 76-80, 2011)
  • 國武 裕子, 野口 博光, 比留間 政太郎
    日本医真菌学会雑誌
    2009年 50 巻 3 号 161-166
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/05
    ジャーナル フリー
    最近5年間(2004年4月~2008年12月)に熊本県の一診療所で経験された頭部白癬12症例について検討した.12例中11例は2歳から18歳の男児で,成人例は50歳女性の1例であった.また,菌種はMicrosporum canis が6例,Trichophyton tonsurans が6例であった.M. canis の6例中5例は2歳から8歳,男児であった.病型は非炎症型が5例,炎症型が1例であった.一方,T. tonsurans の6例は12歳から18歳の男児で,5例は柔道部員であった.病型は炎症型が2例で,black dot型が4例であった.M. canis の症例は3例にイトラコナゾール(ITCZ)2.4~4.0mg/kg/日,3例に塩酸テルビナフィン(TBF)2.6~4.6mg/kg/日の内服を行い,その治療期間はITCZが8~14週間,TBFが4~8週間であった.一方,T. tonsurans の6例はTBF1.4~2.4mg/kg/日の内服を行い,治療期間は8~12週間であった.このうちM. canis の非炎症型(症例6)とT. tonsurans による炎症型(症例10)については,日本における推奨投与量で治療を開始したが症状が改善せず,欧米のガイドラインに準じて,投与量を2倍にして治癒に至った.頭部白癬の治療は難治であり,今後,本邦においてもガイドラインの作成が必要と考えた.
  • 鍬塚 さやか, 芦田 美輪, 西村 香織, 増輪 文治, 芦塚 文美, 西本 勝太郎, 吉崎 麻子, 鍬塚 大, 竹中 基, 宇谷 厚志
    西日本皮膚科
    2011年 73 巻 4 号 388-391
    発行日: 2011/08/01
    公開日: 2011/11/18
    ジャーナル 認証あり
    6歳,女児,小学生,少年柔道クラブ所属。初診の2週前より頭頂部に発赤,膿疱,皮下膿瘍を伴った脱毛斑を形成するようになった。排膿があり,毛髪は容易に抜けた。培養によりTrichophyton tonsuransT. tonsurans )を分離,同菌種によるケルスス禿瘡と診断した。グリセオフルビン錠(250mg/日)を3ヵ月間投与し瘢痕治癒した。家族と柔道クラブ全員の頭髪の
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    法による集団検診を行ったところ,長兄が全スパイクにT. tonsurans のコロニーを生じ,家族内感染が明らかとなった。これまでにT. tonsurans によるケルスス禿瘡は29例の報告があるが,自験例は格闘家白癬でみられたケルスス禿瘡では,6歳という若年者である点が注目すべき点であり,日常診療において年少者の頭部の診察に際しての注意が必要と考えた。
  • 榮 仁子, 野口 博光, 市之川 悠子, 比留間 政太郎
    Medical Mycology Journal
    2011年 52 巻 2 号 139-144
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/20
    ジャーナル フリー
    最近3年間 (2008.1 - 2010.12) に熊本県の一診療所において Microsporum canis による白癬25例を経験した.当診療所を受診し直接鏡検で真菌要素を認め,真菌培養で M. canis と同定された白癬の25例を対象とした.症例は男性8例,女性17例で女性に多く,年齢は4歳から85歳,平均34.6歳であった.部位は,頭部5例,顔面8例,頚部5例,上肢8例,下肢5例,体幹5例で,露出部に多くみられた.皮疹の数は単発13例,多発12例であった.病型は体部白癬が21例,頭部白癬5例,両者の合併が1例あった.家族内発症を5組10例に認め,同胞2組,母子2組,祖母孫1組であった.動物との接触歴があり,飼育動物が感染源と考えられた症例は24例 (ネコ23例,イヌ1例) で,9例は動物の
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    培養検査も陽性であった.治療は,単発例には抗真菌剤外用を,頭部白癬と体部白癬の多発例にはイトラコナゾールないし塩酸テルビナフィン2 ~ 14週内服と抗真菌剤外用を行った.M. canis による白癬の報告は近年減少しているが,現在でもネコなどのペットからの感染に注意すべきであると考えた.
  • 西本 勝太郎, 本間 喜蔵, 篠田 英和, 小笠原 弓恵
    日本医真菌学会雑誌
    2005年 46 巻 2 号 105-108
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    九州・中国・四国地方におけるTrichophyton tonsurans感染症の現状を把握するため,皮膚科医に対する問い合わせ・アンケートなどによる調査をおこなった.回答の得られた全ての地方において,柔道部の学生の間に,菌学的な確認はないながらT.tonsuransによると思われる頭部白癬,体部白癬の流行が見られていた.
    長崎市においては,菌学的に確認され治療を受けた患者の所属する1高校柔道部員21名とその教官1名について,
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    による真菌の分離を試み,全員陰性の結果であったが,その後も部員間に散発的に患者の発生が見られた.
    佐賀県では集団発生の見られた高校をはじめ,同県下の高校12校の柔道部員179名,レスリング部員2校21名,中学生柔道部員7校69名につき
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    による真菌の分離を試みそれぞれ48名,7名および1名から,また胴着2着からT.tonsuransを分離した.
    中国地方におけるアンケート調査もふくめた今回の調査結果から,今後のT.tonsurans感染症流行の阻止のためには,皮膚科医および一般,特にスポーツ関係者への周知が不可欠であるが,菌学的な確認が出来ないために報告されずにいた症例が多く,流行の実感に乏しかったこと,このために有効な感染諸対策が遅れがちとなったことが痛感された.
  • 本間 喜蔵, 西本 勝太郎, 竹中 基
    西日本皮膚科
    2009年 71 巻 4 号 434-437
    発行日: 2009/08/01
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル 認証あり
    長崎県に於いては,2003年8月長崎市内の高校柔道部員の頭部,体部白癬の1例からはじめてTrichophyton tonsuransが確認された。その後県下各地の主に高校柔道部,相撲部,レスリング部員からの集団感染などが見いだされるようになり,2007年末までに67症例となった。年齢層別では大学生2例,高校生50例,中学生12例,小学生1例,幼児2例であった。男女別では男性63例,女性4例で圧倒的に男性が多かった。感染の中心は常に高校生であったが,ここ2年間中学生以下の年齢層の感染が増加傾向を示した。競技別では柔道58例,相撲5例,レスリング1例で県下の高校の競技人口に比例していた。病型別では頭部白癬4例,頭部白癬と体部白癬の合併例9例,体部白癬54例であった。頭部白癬の中にはblack dot ringworm 1例,kerion celsi 1例が含まれていた。長崎大学皮膚科学教室を中心に長崎県下に真菌グループによる真菌培養検査のためのネットワークを組織したことが,症例の掘り起こしに大いに機能した。
  • 喜舎場 国夫
    音声言語医学
    1984年 25 巻 4 号 278-284
    発行日: 1984/10/25
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    遊びと言語との関係についてはこれまでに多数の報告がある.本研究においても言語訓練に有用な資料を得るために, 精神遅滞児40名を対象に両者の関連性について検討した.
    その結果はつぎのとおりであった.
    1.遊びは言語とともに発達し, 遊びに象徴性が現れると語の機能が拡大する.
    2.脱中心化の観点から遊びの発達と語の機能の拡大をみると両者は並行する.
    3.順序性のある遊びと語連鎖発話に関連性がみられる.
  • 浅岡 優美, 加賀 麻弥, 小川 祐美, 比留間 政太郎, 池田 志斈
    皮膚の科学
    2018年 17 巻 5 号 255-259
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/03/30
    ジャーナル 認証あり

    20歳代,女性,柔道部員。後頭部に生じた多発性毛包炎を主訴に当院紹介受診した。皮膚生検組織の真菌培養は陽性,培養された菌株は遺伝子検索で Trichophyton tonsurans と同定され,頭部白癬と診断した。所属する柔道部員の検診で陽性者が検出された。自験例は前医にて抗真菌薬が投与されていたため,臨床症状が軽快しつつあり,診断に苦慮した。T. tonsurans 感染症は症状が多彩で無症候性キャリヤーも存在するため,常に真菌症を疑い真菌培養を施行することが大切である。さらに,感染拡大を防ぐために,キャリヤーを探し治療をすることも不可欠である。 (皮膚の科学,17 : 255-259, 2018)

  • 野口 博光, 榮 仁子, 服部 真理子, 比留間 政太郎
    日本医真菌学会雑誌
    2010年 51 巻 4 号 193-198
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/11/03
    ジャーナル フリー
    症例1は26歳,女性,左頬部に25mm大の落屑を伴う紅斑を認め,直接鏡検が陽性,顔面白癬と診断した.マイコセル寒天培地25℃の培養で集落を分離し,巨大培養とスライド培養の形態学的特徴から Trichophyton mentagrophytes と同定した.さらにリボゾームRNA遺伝子 (rDNA) のinternal transcribed spacer 1 (ITS 1) 領域のDNA塩基配列の解析の結果,分離株は Arthroderma vanbreuseghemii と同定された.飼いネコ9匹の
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    培養検査で,2匹からの分離株は A. vanbreuseghemii と同定され,ネコが感染源である可能性が示唆された.症例2は11歳,男児,左眼囲,鼻根部,左頬部の手掌大の紅斑落屑局面を認め,直接鏡検が陽性,顔面白癬と診断した.6週間前からステロイドを外用していた.分離株は A. vanbreuseghemii と同定された.飼いネコ2匹と飼いイヌ1匹より真菌培養を試みたが,同様の真菌は検出されなかった.2000年以降,わが国で分子生物学的に A. vanbreuseghemii と同定された白癬の報告は自験例を含めて16件25例あったが,12例は顔面に発生しており,11例はステロイド外用歴があった.本菌は顔面白癬の原因菌の1つとして重要と考えた.
  • 中尾 匡孝, 杉山 晃子, 辻 学, 三苫 千景, 安川 史子, 竹内 聡, 髙原 正和, 松田 哲男, 森田 圭祐, 古江 増隆
    西日本皮膚科
    2015年 77 巻 1 号 55-58
    発行日: 2015/02/01
    公開日: 2015/07/03
    ジャーナル 認証あり
    3 カ月の女児。父親は柔道家。生後 2 カ月より前頭部に鱗屑を伴った脱毛斑が生じたため当院を受診した。Black dot ringworm が認められ,KOH 法で毛内性の菌要素が確認された。真菌培養所見から Trichophyton tonsurans による頭部白癬と診断した。父親から頭部への
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    法で同菌が分離された。グリセオフルビン(10 mg/kg)の内服とケトコナゾールを混じたシャンプーの併用にて,治療開始 2 カ月後には軽快した。本症は就学児や成人では格闘技競技者間での集団感染が多数報告されているが,一方乳幼児も含めた未就学児では,家族内感染によるものが多いと考えられる。本邦での未就学児の発生例を集計し報告したい。
  • 福山 國太郎, 阪野 恵, 高橋 玲子, 矢口 貴志
    日本医真菌学会雑誌
    2020年 61 巻 3 号 47-51
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/31
    ジャーナル フリー
    30歳男性.3ヵ月前からハリネズミを飼育していた.2ヵ月前から左環指と左腹部にそう痒を伴う紅斑が生じたため,近医受診しステロイド外用,抗ヒスタミン薬内服するも徐々に悪化し紹介受診した.左環指に境界明瞭な襟飾り様鱗屑をつける紅斑,左腹部に鶏卵大の毛孔一致性丘疹が混じる紅褐色斑がみられた.ともに直接鏡検で菌糸と分節分生子を確認した.左環指と左腹部の紅斑部位から採取した鱗屑,またハリネズミから
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    法を用いた培養検査でTrichophyton erinacei(有性型:Arthroderma benhamiae)が分離された.
  • 廣瀬 伸良, 菅波 盛雄, 白木 祐美, 比留間 政太郎
    日本医真菌学会雑誌
    2008年 49 巻 3 号 197-203
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/08/09
    ジャーナル フリー
    日本でTrichophyton tonsurans 感染症が流行して7年が経過する.われわれは本感染症の罹患状況について,
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    検査や医師の治療経験の結果から検討してきたが,競技現場における発症状況や治療,予防の実施状況についての調査はいまだなされていない.対象と方法:全日本柔道連盟に登録するすべての柔道競技団体(10077団体)指導者にアンケート用紙を配布し,回収された1199団体(11.9%)の回答を検討した.アンケート内容は(1)構成員,(2)感染症の認知,(3)過去,現在の発症経験,(4)予防対策の現状,(5)意見,要望記述などである.結果:中学柔道部,小学生道場の指導者が本感染症について「知らない」と回答し,他の年代別所属に比較して高かった.また,「発症経験がある」と回答した団体は全体で371クラブ(30.9%)であり,高校生柔道部については有意に高かった.また,シャワーなどの予防対策施行については,全体の540クラブ(45.1%)が「実施していない」と回答し,その状況は中学柔道部および小学生道場で高かった.本感染症は今後,低年齢層にも感染拡大が予想され,全日本柔道連盟における啓発活動の全国的な展開が急務である.
  • 渡邊 京子
    Medical Mycology Journal
    2014年 55 巻 2 号 J79-J83
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/06/19
    ジャーナル フリー
     59 歳女性の前腕と,73 歳女性の顔面に生じた Microsporum (M.) gypseum 感染症の 2 例を報告した.土壌好性の真菌である M. gypseum の感染経路は,土壌から直接と,動物を介しての経路が考えられる.自験 2 例ともペットを飼育し,庭仕事をしていたが,患者宅の庭土から M. gypseum が分離培養され,ペットからは菌が検出されなかったことより,庭仕事の際に土壌から感染したと考えた.茅ヶ崎市内の土壌 10 ヵ所を調査し,2 ヵ所の土壌より M. gypseum が分離された.
  • 皮膚の学校感染症について「プールに入ってもいいの?」
    説明文書作成ワーキンググループ, 山本 剛伸, 今福 信一, 和田 康夫, 渡辺 大輔
    日本皮膚科学会雑誌
    2015年 125 巻 6 号 1203-1204
    発行日: 2015/05/20
    公開日: 2015/05/21
    ジャーナル 認証あり
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