ガーネット構造を持つヒ酸塩およびバナジン酸塩鉱物(一般式NaCa
2Y
2+2Z
5+3O
12)である天然のパレンツォナ石(X = Mn
2+, Z = V
5+),ベルゼライト(X = Mg, Z = As
5+),マンガンベルゼライト(X = Mg, Z = As
5+)の結晶化学的研究を行った。X線単結晶構造解析の結果(
R1 = 1.36-2.42%),<Z-O>および<Y-O>は各サイトの平均イオン半径と正の相関を示すが,<X-O>はNa/Ca比が変化するにも関わらず相関はない.このことはヒ酸塩およびバナジン酸塩ガーネットにおいて,Xサイトの大きさはそこに存在する陽イオンに支配されないことを示している.またYサイトにMg,Mn
2+のような2価の陽イオンが存在することで,Na, Caが存在するXO
8との共有稜と非共有稜の長さの差が小さくなり,結晶構造の歪みが減少することも明らかとなった.
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