ベンゼン環6個からなるベンゾ[g,h,i]
ペリ
レンは,合成ならびに高温石炭タールからの今離によってえられる。合成法としてはニトロベンゼン中で無水マレイン酸と
ペリ
レンを反応させるか,あるいは
ペリ
レンを無水マレイン酸およびクロルアニルとともに加熱してベンゾ[g,h,i]
ペリ
レン-1,2-ジカルボン酸無水物を合成し,この無水物をソーダ石灰と350℃ で加熱脱水し,さらに440℃ で減圧昇華することによってベンゾ[g,h,i]
ペリ
レンをえることができる。しかし,この合成法では精製したペンゾ[g,h,i]
ペリ
レン-1,2-ジカルボン酸無水物を用いても,それから生成したベンゾ[g,h,i]
ペリ
レンの一部が高温反応のため酸化され,ソダ石灰と作用して
ペリ
レンが生ずることを見いだした。
高純度ベンゾ[g,h,i]
ペリ
レソは,粗ベンゾ[g,h,i]
ペリレンと無水マレイン酸およびグロルアニルを再度反応させ混入している微量のペリ
レンをベンゾ[g,h,i]
ペリ
レン-1,2-ジカルボン酸無水物としてクロマトグラフィーにより分離し,さらに昇華,再結晶によって精製を行なった。
この高純度ペソゾ[g,h,i]
ペリ
レンを標準試料とし,
ペリ
レンを10-1~10-8mol%添加した二成分系のべンぜン溶液をつくり,その吸収スペクトル,ケイ光スペクトルを測定し,ベンゾ[g,h,i]
ペリ
レン中に混入する不純物としての
ペリ
レン濃度を測定した。この結果から合成単離した高純度ベンゾ[g,h,i]
ペリレン中のペリ
レンの混入量を少なくとも10-6mol%以下におさえることがまできることを見いだした。また既知の合成法-
ペリ
レンと無水マレイン酸を作用させてえる方法-およびタールから分離した芳香族炭化水素は,再結晶,昇華など通常の精製法を適用してもなお試料中の
ペリ
レン混入垂は10-2~10-3mol%であることがわかった。
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