上述のマダケ節間長に關する研究結果を要約すれば凡そ次の通りである。但し節間長は其の最大節間長に對する%で,節番號に稈の根元より之を數へ總節数に對する%で表はされてあるものとする
1. 節間長曲線は其最高部を過ぎたる附近を境界點とする二つの抛物線(
y=
a+bx+cx2,
x: 節番號,
y: 節間長)で表はされ,此事は他の同屬竹種に於ても矢張同様である。然し此境界點はマダケは他竹種よりも早く到來する。
2. 地上根元部の節間長は概ね稈の大さと負の相關々係を有する。
3. 最大節間長は總節數の1/3附近の番號に存し,他竹種よりも早く到來する。
4. マダケは他竹種よりも根元節間長が大であるから當然稈の利用性に富む事になる。
5. マダケの節間長曲線は僅少非對稱であり,他竹種は大略對稱型をなしでゐる。
本問題は本質上統計的研究に屬し勢ひ大量觀察を行へばそれだけ正確度を増大するのであるが,今囘の資料數程度では此點大いに不滿を感すべきも,前後2囘の經驗に徴して細部の黙は兎も角として,大體の傾向は捕捉し得られたのでないかと思ふ。
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