本論文はバッチプロセスの運転管理におけるロバストスケジュール生成システムのための修正モジュールを提案した。バッチプロセスでは処理時間の変動に対する現行スケジュールの
ボトルネック
が複数存在し, プロセスの特徴から各
ボトルネック
はスケジュールを介して強い相互作用がある。このため部分的な
ボトルネックの解消は新たなボトルネック
を派生し, その繰り返しでは効果的にロバストスケジュールを作成することはできない。この問題を解消するためには,
ボトルネック
群に対する修正案群を同時に選択する必要があり,
ボトルネック
間の相互作用から, パタン認識の問題に帰着できる。したがって, BPNN (Backpropagation Neural Network) が有効となり, 本研究はロバストスケジューリングシステムの特徴から以下の3点を工夫することでBPNNを用いた修正モジュールを開発した。(1)
ボトルネック
の相互作用を学習に反映させるために, スケジュールの全体情報 (稼働率等) および局部情報 (タスク間のスラック時間等) をBPNNの入力データとした。(2) ファジー情報をスケジューリングフェーズの考察に基づき離散化しα-レベル表現を可能にした。(3) (2) のα-レベル表現によるファジーデータを効率良く学習するためのアルゴリズムを提案した。開発したモジュールの有効性は多製品バッチプロセスを用いたシミュレーション実験を通じて示した。
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