根返りにより形成された・ピットは光や土壌などの林内環境に大きな変化をもたらし，森林生態系の管理を考える上で・ピットでの樹木の更新特性や遷移を解明することは重要である。そのために新規実生の消長を把握することも，また重要である。本研究では，多雪地帯ブナ林に異なる時期に形成された・ピットおよび未攪乱地における，ブナの当年生実生の消長の把握を目的とした。調査は，山形県小国町西置賜郡小国町の温身平で行った。ここには標高400～800mの沖積平坦地で典型的な日本海側ブナ林が分布している。温身平における自然攪乱による形成時期の異なる26か所の・ピットを対象とした。本調査地では，2011年ブナの豊作年であり，2012年はブナの新規実生が数多く発芽した。2012年6月下旬からカウンターを用いて当年生実生をカウントし，さらに一部の当年生実生はナンバーをつけ，追跡調査を行った。また，・ピット上での植生の特徴，昨年からの高木性樹種の実生の成長を把握するため植生調査を行い，これらを基に・ピット上のブナの当年生実生の消長について考察する。

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上に構造物がある場合, 構造物に作用する波は高さや肩幅, あるいは上の水深等に応じて変化するので, 作用波圧や越波流量の特性はの諸元に強く影響される. このことはフレア型護岸においても同様で, の設置による衝撃砕波圧の発生や護岸越波流量の増大は実務上の問題となる. 本研究は, 上に設置したフレア型護岸に作用する波圧と越波流量の特性を把握することを目的に実施した. 具体的には, 作用波圧および越波流量に対する法先水深や肩幅の影響を明らかにするとともに, 直立堤の波圧算定式から得られる波圧に対する計測波圧の比 (割増係数) を検討した.

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１ はじめに地形プロセス研究には、生物（動物）活動の役割という視点からのアプローチもある（Butler, 1995など）。フランス、ピレネー山地中央部の亜高山帯において、穿孔動物による表層撹乱の斜面プロセスにおよぼす影響を明らかにしたいと考えた。もぐらに代表される穿孔動物によって地表に搬出された土塊（moundと呼ぶ、写真）の分布、形成の通年変化を先ず検討した。２　研究地域と方法ルセール山（頂2017m）の標高1400mあたりから頂上までは、わずかに矮小低木が散在する草地がひろがる。表層撹乱（形成）の空間的な分布を検討するために、ルセール山で斜面方位別の観測をおこなった。山頂を基点とする４トランセクト（東、北、西トランセクト各々約400m長、南トランセクト約1000m長）に沿って、約50mごとに方形区（10mｘ10m）を設定した。もう１本の南向き斜面のトランセクト（約1200m長）沿いでは、約100mごとに方形区を設定した（図）。1995年8月_から_10月、合計56方形区での大きさ（長径長、短径長、高さ）を計測した。高度の異なるほかの３つの山（ラトウレット山、オビスク山、ソセド山）の山頂周辺にても、同様な観測をおこなった。これらの山では、方形区での観察ではなく、東西南北方角トランセクト（約10m幅、150_から_300m長）に沿って、1995年10月_から_11月に観測した。一方、形成の経時変化を検討するために、ルセール山頂近くの定点方形区（10mｘ10m、図中のFP）においては、上記同様に、1995年6月_から_1996年5月のあいだに観測を９回実施した。なお、長径20cm以上の大きさのを観測し、20cm以下の小は観測対象から外した。３　結果ルセール山頂付近の５トランセクト沿いの56方形区にては合計約1290個のが観測された。方形区あたりの平均数は23個である。は北、東、西向き斜面で少なく、南向き斜面に集中することが判明した（図）。ほかの３つの山でもは観察されたが、３山のあいだ、および斜面方位別の数の差異は大きい。４つの山をまとめると、分布は斜面方位に関係ないように思われる。大きいは径50cm、高さ15cm程度であり、平均的は径25cm、高さ5cm程度である。長径が斜面最大傾斜方向にならぶ円_から_楕円状の平面形を呈する。表面で観察されたレキ片最大は径数cmに達した。これは比較的細粒な物質が選択的に地表に運ばれることを示唆する。ルセール山の定点方形区にては、通年で新が69個認められた。辺長10mという方形区は形成の通年変化の検討には狭すぎると考えられるが、方形区周辺の広い範囲での観察を含めて、形成が春季に多いことを示す。搬出された多くのが斜面下方へ移動すると思われるので、斜面プロセスとしての形成を無視できない可能性がある。また、は踏みつけによって容易に変形するので、テラセット（terracettes）の形成要因としても注目される。

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Artificial mound reefs have been recognized to be effective for ocean nourishment and fishing ground development This paper introduces their basic functions, benefits and project processes from planning to verification, and describes various investigation and experiments in practical works. As the results, several new technologies such as numerical simulation, field observation, construction methods and construction managements are integrated. The advanced system is successful in high-resolution placement of artificial mound reefs.

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背後付き防波堤は, 堤体背後に設置した水深の浅い背後により, 防波堤の安定性を向上させるとともに自然環境と調和した生物生息場を創り出すことができる.しかしながら, 背後付き防波堤に関する研究例は少なく, 適切な断面の決定が難しい. そこで, 水理模型実験により背後被覆ブロックの耐波安定性および伝達波特性を明らかにするとともに, 越波水塊の打ち込み運動をモデル化して上における被害の発生箇所を算定し, 伝達波や背後における被害発生箇所等を考慮した最適な設計法を提案する.

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　本研究では，消波構造物としての機能だけでなく海底盛土等の土留壁，海底埋設構造物盤の安定化対策工など様々な機能が期待できる海底の潜堤や捨石

の安定性検討の観点から，砂地盤－水中礫系の波浪実験を行い，波による液状化と礫の沈込みとの関わりを詳しく調べている．実験は遠心力場70gで行った．実験により，礫周辺の地盤浅部で液状化が発生した後，液状化は地盤の深度方向及び直下地盤へ進展・拡大していき，それとともには地盤へ沈込んでいくことを観察した．さらに，直下へのシート敷設，基礎地盤の礫置換などの沈込み対策工の効果を検討した．その結果，液状化が発生し拡大すると対策工の効果はなく礫は大きく沈み，液状化が進展しない場合は沈込みが発達しなかった．これより礫付近の上部工対策ではなく液状化の進展を抑えることが重要であることを示した．

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本検討は, ケーソン式混成堤の被覆ブロックに着目し, 初期被災を考慮した後の被災モードの把握を水理模型実験にて確認し, 被覆ブロックの安定性能について評価するとともに, 数値波動水路 (CADMAS-SURF) を用いた規則波解析を行い, 被覆ブロック周辺の流況場からその適用性を検討した. 水理実験の結果, 被覆ブロックは法先からブロック移動が進行する被災モードであり, また, 斜面上での安定性能が低下することが確認された. また, 数値波動水路の流速値より推定したイスバッシュ定数は, 実験を再現しその妥当性が確認された.

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The dumping method of a large amount of rubble is investigated to optimize the construction works of artificial fishing mound for uplifting the eutrophied water with the upwelling current. In this method, bubble placed in a hopper is dumped by split barge. This paper presents the influence of time to open the split barge on deposition configuration of bubble and refers an acceptable dumping method in actual works. As a result, the new method with time control to open the split barge can develop a good deposition configuration.

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　消波ブロック被覆堤を対象とした水理実験において，や砂地盤を決める際の留意点などを整理することを目指した取り組みとして，鈴木ら(2002)の1/4スケールの大規模実験と同様の実験を1/55.8スケールで実施した．その結果，大規模実験で見られていた沖側部の下部からの砂の吸い出しは発生せず，の沖側内部には堆砂が生じることを確認した．この堆砂は，砕石と砂の粒径比が同程度の鈴木ら(2002)の1/16スケールの中型実験でも生じておらず，本実験で用いた砕石の粒径が小さく，の沖側内部に生じる沖向き流速が小さかったために生じたと推測された．以上より，底質の移動形態を相似させる点，砕石と砂の粒径比を一致させる点，の透水性を相似させる点に留意する必要があることが示唆された．

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　長周期波による荷役稼働率低下を解消するために，港内で長周期波の反射波を抑制する工法の一つとして，構造物を設置する対策がとられる．構造物を防波堤の港内側に設置する場合には，構造物の被覆材が越波伝達波に対して安定でなければならない．そこで，上部斜面構造防波堤の港内側に設置する構造物の被覆材の安定性を二次元水理模型実験で検討した．また，防波堤の港内側に設置する構造物が，港外側から港内側への伝達率に与える影響についても検討した．上部斜面構造防波堤の港内側に設置する構造物の被覆材は，矩形構造防波堤背後より安定性が厳しい．防波堤の港内側に構造物を設置すると，越波伝達波が構造物に作用することによりエネルギーが減殺され，伝達率が小さくなる．

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　人工海底（人工湧昇礁）は，海水の鉛直混合を促進し，生物の一次生産を促す構造物であるが，その定量評価法は確立していない．本研究では，染料と透過光を用いた画像による密度計測手法を開発し，実験水槽内の密度成層中での模型曳航による鉛直混合の定量評価を行った．これにより，鉛直混合は二層成層流で密度界面が砕波する場合に大きいこと，また，密度差が小さくとも躍層での混合により密度変化が起こり得ることがわかった．さらに，3次元LES数値計算による結果と比較を行い，実験結果が数値計算により概ね再現でき，今後実海域に則した複雑な条件下での混合効果を定量評価できる可能性があることが分かった．

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