新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症であるCOVID-19肺炎は,人工呼吸器,体外式補助循環装置(ECMO),腎代替療法(CRRT)などの生命維持管理装置(ME機器)を必要とする。2020年2月11日に当院で初めて患者を受け入れ,ME機器の導入・管理を行うこととなったが,感染当初は,ガイドラインやマニュアルなどの感染対策が確立されていないなか,対応を予備なくされた。
患者の増加と共に,パンデミック状態となり,物品不足やME機器の使用台数が増加したため,一般診療を行う際のバックアップ機を含めた多科(救命・循環器・心臓血管外科)との調整が必要となり,法人で導入されているMarianna-netシステム内におけるGoogleスプレッドシートを活用した,院内のME機器在庫状況把握システムを確立した。
医療従事者の感染を防ぐため,遠隔操作可能な人工呼吸器,ME機器データ抽出可能なGAIAシステム(日本光電社),遠隔監視カメラ映像システム(HIROYA社)の導入により,感染エリア外より監視,医療機器の点検を行った。
また,在宅用人工呼吸器使用中患者に対する,エアロゾル感染防止のスクリーニングや集中治療業務に特化した業務をマンパワー不足で行わなければならず,限られた人員で勤務体制を調整した。
本稿では,パンデミック時に行われた「臨床工学技術部の対応・対策・取組について」報告を行う。
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