オランダにおける地域レベルでの生態ネットワーク計画のプロセスについて明らかにするため, 3つの事例の比較検討を行った。その結果, 上位計画として国土生態ネットワーク計画が重要な位置を占めていること, 計画は,(1) 自然環境調査にもとつくベースマップの作成, 下 (2) ネットワークの目標種の選定,(3) 目標種の環境要求性, とりわけその生息に必要とされるタイプのハビタットの面積や移動特性の把握,(4) 下目標種の生息, 移動に配慮したコアエリア, 自然創出区域, 生態的回廊の配置, という生態学的な検討が行われた上で, 生態的インフラストラクチャーの整備計画が策定される, というプロセスにより立案されていること, 生態的インフラストラクチャーの事業実施は計画主体によるコーディネートにより推進されていること, が明らかとなった。
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