粘膜支持を含む可撤性局部床義歯において,義歯装着後に生じる歯槽骨の吸収などにより,義歯床下粘膜への適合性が経年的に低下することは避けられない.義歯不適合に対する処置として,リ
ライニング
はよく行われているが,リ
ライニング
後の義歯の機能評価についての研究は少ない.そこで,本研究はリ
ライニング
の効果について筋電図学的に明らかにすることを目的として行った.被験者は,遊離端欠損部に可撤性局部床義歯が装着されておリ,適合検査を行った上でリ
ライニング
が必要であると診断され,残存歯および対合歯の状態が天然歯もしくは固定性修復物による適切な処置が施されている男性4名,女性4名の計8名とし,リ
ライニング
直前,直後,1週後,2週後に両側の咬筋中央部,側頭筋前部の表面筋電図を計測した.被験運動はタッピング,レーズンおよびピーナツ咀嚼,クレンチングであった.その結果,ピーナッツ咀嚼において時間的要素のCVはリ
ライニング
直前と比較して1週後,2週後で有意に減少した.積分値ではリ
ライニング直前と比較してリライニング
直後で有意に増加した.積分値のCVではリ
ライニング直前と比較してリライニング
直後,1週後,2週後で有意に減少した.レーズン咀嚼において時間的要素のCVはintervalおよびcycle timeのCVでリ
ライニング直前と比較してリライニング
直後,1週後,2週後で有意に減少した.積分値ではリ
ライニング直前と比較してリライニング
直後で有意に増加した.積分値のCVではリ
ライニング直前と比較してリライニング
直後,1週後,2週後で,リ
ライニング
直後と比較して1週後,2週後で有意に減少した.クレンチングの平均電位がリ
ライニング
前後で有意に増加した.以上のことからリ
ライニング
の効果が筋電図学的に咀嚼運動時の時間的要素および積分値のCVの減少,咀嚼運動時の積分値およびクレンチング時の平均電位の増加から裏付けられた.
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