抄録 文部科学省は, 学生の主体的な学びの確立に向けた大学教育の質的転換の一つとして, アクティブ・ラーニングの充実を提唱しており, 学修者の能動的な授業への参加を求めている. 大阪歯科大学では平成28年度からク
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を導入することで双方向型の授業が実施可能になった. そこで, ク
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を用いた授業で適時の知識確認を行い, 知識定着率を調べることでその有用性について検討した.
平成28年度本学2年次学生137名を対象に, 年度内の異なる時期にA群 (初学時) とB群 (既修時) に分け, 授業中にク
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を用いた知識確認試験を実施し比較検討した. A群では, 授業中1つのテーマが終了した時点で問題を提示し, 回答させた. B群では, まず問題を提示して回答させた後に, 問題に関するテーマの授業を行った.
初学時に正答率が低かった問題において, ク
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を使用した授業の有用性は高いように思われた. しかし, 初学時に正答率が高かった問題は知識定着率が低下する傾向にあったので, 初学時に正答率が低かった問題だけでなく, 高かった問題においてもフィードバックをしっかりと行うことで学修者の知識定着率の向上に繋がると考えられた.
クラス全体の理解度をリアルタイムに確認して, その都度フィードバックを行うことができるため, ク
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を用いた授業は知識定着率向上に有用であると考える.
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