19世紀から20世紀への転換期におけるドイツ造形の革新に力を注いだペーター・ベーレンスは、1889年から99年まで、ベルリンと並ぶユーゲント様式の中心地であったミュンヘンに居住し、画家・版画家・デザイナーとして活躍を始めた。そこで多くの芸術家達と交遊し、とりわけ自然主義を脱して抽象的幻想を目指し始めていた詩人ゲオルク・フックスとリヒャルト・デーメルとの出会いと影響から、劇場及び舞台芸術の現代化に力を注ぎ始めた。その後ダルムシュタット、デュッセルドルフ、ベルリンへ活動拠点を移しながら、ベーレンスはどんな理想で演劇改革に貢献したのか、彼自身の論述や図面及び関連資料を基に出来るだけ明らかにしたい。
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