加齢に伴う
レニン
-アンジオテンシン系の変化を, モノクローナル抗体を用いた
レニン
直接ラジオイムノアッセイ法, および従来法 Plasma renin activity (以下PRA), Total renin activity (以下TRA) で検討した. 60歳以下16名, 60歳以上14名の健常者に対し, 常食30分臥位後に採血を行い, PRA及びトリプシン活性化法によるTRAを測定, 更に我々の開発したモノクローナル抗体を用いた総
レニン
直接RIA法とパスツール研の活性型
レニン
直接RIA法で測定を行った. PRAによる
レニン
値は加齢により減少 (60歳以下2.2±0.5ng/m
l/h, 60歳以上0.7±0.1ng/m
l/h; mean±SE, p<0.01) し, 活性型
レニン
直接RIA法による
レニン
値も加齢により減少した (60歳以下35±5pg/m
l, 60歳以上17±2pg/m
l, p<0.01). 一方, TRAと総
レニン
直接RIA法による
レニン
値 (Plasma total renin concentration; PTRC) は加齢による変化はなかった (TRA; 60歳以下10.3±1.6ng/m
l/h, 60歳以上7.7±1.0ng/m
l/h, PTRC; 60歳以下442±128pg/m
l, 60歳以上250±52pg/m
l). 従来法で求めた活性型
レニン
(PRA)の総
レニン
(TRA) に対する比 (A/T比) は, 加齢と共に減少し (相関係数r=-0.683, p<0.01), 直接RIA法によるA/T比も, 加齢により減少した (相関係数r=-0.535, p<0.01). モノクローナル抗体を用いた新しい
レニン
直接RIA法により, 加齢に伴う
レニン活性の低下が活性型レニン
濃度の低下を反映していることを確認した. 更に, 血中総
レニン
量は加齢により低下せず, A/T比が減少することから, 老人ではプロ
レニン
のプロセッシングに異常がある可能性も示唆された.
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