水・土地等の地域資源の賊存状態およびその利用・管理のあり方をめぐる論議が活発になっている。
これは, 地域資源の需給逼迫が信行し, かつ従来形式の地域資源管理が地域社会の変ぼうに対応し切れないところに行きついたことによるものと言ってよい。
とりわけ水資源は, 多くの重要水系で水資源開発限界期をむかえており, またその配分・利用管理の現場では, 水利用主体および水使用方式の多様化, 水質の悪化等水利秩序の変化・混乱に直面している。このような状況は, 地域資源の利用管理に対する新たな需要の発生をも意味し, また地域資源の保全に対する社会的関心の高まりを促している。
この小論は, 農村計画のベーシックな構成要素である水・土地等地域資源管理のあり方について, 比較論的に史的総括を行い, そのなかからわが国水田農業社会の地域資源管理の特質を抽出し, 当面する問題と今後の対応について分析を加えるものである。
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