女性は,20代で結婚してまもなく妊娠出産するのが長年にわたり標準的であった.すなわち多くの女性が結婚適齢期に結婚し,妊孕能の最も高い妊娠適齢期に妊娠・出産をしていた.しかし社会背景の変化に伴い,女性のライフスタイルは多様化し,結婚・妊娠・出産などのライフイベントを迎える時期に個人差が大きくなった.性成熟期における女性を取り巻く背景が多様化したことにより,心身の変化も多様化し,それまでになかった問題が表在化するようになってきた.性成熟期に代表的な心身の変化である周産期の変化に加え,最近では,いずれ妊娠出産の希望はあるが今すぐその予定のない未妊や,積極的に妊娠を希望するが妊娠の成立をみない不妊において心身の問題を抱える女性が増加している.また,妊娠適齢期を逸脱して妊娠・出産と向き合う女性たちの心身の変化も見逃せない.
抄録全体を表示