湘南海岸の海浜変形の実態を明らかにするために深浅データや空中写真などを分析するとともに, 底質粒径の水深方向分布を測定した. これによれば, 1973-1996年で相模川河口以西では西向きに平均2.0×10
4m
3/yrの沿岸漂砂が, また茅ケ崎漁港の西側では東向きに最大約1.8×10
4m
3/yrの漂砂量が, さらに茅ケ崎漁港の東3.5km地点では東向きに約1.9×10
4m
3/yrの沿岸漂砂量が生じていた.またこの海岸の波による地形変化の限界水深はほぼ9mにあった. 過去に湘南海岸でなされた浚渫の総量は1, 004, 024m
3であり, 海浜からほぼ100万m
3の土砂が消失し, これが一つの大きな侵食要因となったごとが分かった.
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