任意大規模国際会議プロセス「
世界水フォーラム
」の会議構造上の特徴,それに基づく地球規模水行動実現へのアプローチの方法及びその有効性を主催者アンケート及び追跡検証により分析した結果,以下が明らかになった
1.
世界水フォーラム
は,大規模性,開放性,決議の非拘束性,新しい議論形式の試行・取捨選択と継続を会議の特 徴としている.
2.
世界水フォーラム
主催者は上記1.の特徴を認識・活用して地球規模水行動の促進を達成しようとしている.
3.このため会議規模(参加者数とレベル)の確保,参加の多様性の確保,注目度の確保を会議開催の優先項目としている.
4.上記3.の強みを背景に主催者は次のアプローチで目的達成を図っている
-多様な利害関係者の参加と役割の明確化により問題に取り組む行動者を増やす
-政府・組織が新しいコミットを発表することで関係者の自発的約束・活動を促す
-特定の課題に関して明確なメッセージを発出する(行動の方向性を示す)
5.上記4.に述べたアプローチの結果,実際に近年の有力な地球規模水行動の多くが
世界水フォーラム
と関連付けられる形で発表,実現されていることが追跡検証された.
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