火砕流堆積物を母材とする美瑛
丘陵地の土壌生成は丘陵
地の位置,斜面形態や微地形との対応関係を検討.した結果,以下のようにまとめられる。1)美瑛
丘陵
地は,十勝岳を噴出源とする火砕流堆積物からなり,噴出源から遠ざかるほど標高が低い傾向にあった。2)地形は,
丘陵
地上部で狭い丘頂面と広い丘腹斜面からなり,
丘陵
地末端部で丘頂面と丘腹斜面の割合が上部の逆となった。なお,丘頂面は起伏面と平坦面に区分された。3)
丘陵
地上部の土壌は褐色森林土であった。丘腹斜面上部では腐植層が薄く,中粗粒質〜粗粒質で浅層から基岩が見られた。また,丘腹斜面下部では丘腹斜面上部からの土壌の再堆積により土層が厚く,腐植含量も多く,中粗粒質であった。一方,
丘陵
地末端部の土壌は丘頂起伏面で褐色森林土,丘頂平坦面で灰色台地土であった。4)地形および土壌分布の調査結果から,美瑛
丘陵
地の土壌生成には地形が大きく影響し,それに伴う土壌侵食,二次堆積,湖泥化による粒径淘汰が関与した。
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