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クエリ検索: "中島そのみ"
58件中 1-20の結果を表示しています
  • 渡邊 雄介, 大歳 太郎, 滝口 哲也, 高田 哲
    小児の精神と神経
    2019年 59 巻 2 号 191-198
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/01
    ジャーナル 認証あり
    【目的】就学前から学童期にいたる子どもの線描動作における発達の特徴(筆圧,正確さ,速度)を明らかにするとともに,描画の巧緻性に関する新しい定量的評価法を開発することを目的とした.【対象と方法】4歳から12歳までの定型発達を示す子ども119名と,20名の成人を対象とした.筆圧測定装置を内蔵した電子ペンで,2 本の平行線の真ん中を通る線を引くよう指示した.描画中の筆圧と達成時間を計測し,独自に開発したソフトウェアを用いて描かれた線が平行線の中心からどれくらい離れるかをスコア化した.【結果】筆圧および正確性は,7歳まで年齢とともに増加し,その後成人と同じレベルとなった.一方,達成時間は7歳までは年齢とともに増加し,その後,減少した.正確性の得点を,達成時間で除した値は,年齢とともに増加した.【結語】線描動作では最初に正確性が向上し,その後,速度が速くなった.今回使用した測定方法は臨床応用での有用性が示唆された.
  • 安田 直津子, 伊藤 はつ子, 森 はつみ, 後 峰代, 三浦 睦美, 尾高 由紀子, 石丸 由美, 橋本 佳久子, 宮崎 真知子
    日本透析療法学会雑誌
    1991年 24 巻 8 号 1167-1170
    発行日: 1991/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    高齢透析患者が, 全身麻酔手術後に精神異常を併発した2症例を選び, 看護の方法を検討したので報告する. 高齢透析患者は, 透析による不安と高齢による意欲低下・適応能力低下で精神症状を呈しやすい. 症例1は, 胃全摘出術後であり, 術後7日目頃から腰痛を強く訴え, 不眠・不穏状態となったが, 鎮痛剤・鎮静剤の使用により不穏状態は徐々に消失した. 症例2は, 十二指腸潰瘍による出血性ショックで緊急入院した. 十二指腸部分切除・迷走神経切断術施行後より, 見当識障害がみられたが, 安静や食事の制限が解除されるに従って, 不穏状態は消失した.
    患者の苦痛や不安は, 患者本人にしかわからない. そして, 患者の持つ経験の有無・希望・意思・環境などの心因的背景・年齢・性別などに修飾されて表現される. 患者が表すサインを見逃さないために, 看護婦は, 絶えず患者の言動に注意し, その意味するものが何であるかを考えることが必要である. 家族の協力や理解を得て, 少しでも苦痛・不安が軽減できるよう援助していけば, 早期社会復帰も可能である.
  • 大東 真紀, 森本 美智子
    作業療法
    2023年 42 巻 3 号 328-336
    発行日: 2023/06/15
    公開日: 2023/06/15
    ジャーナル フリー

    脳卒中右片麻痺者の左手書字練習初期の習熟に対する主観的評価の様相を明らかにするため,半構造化インタビューを実施した.15名(男性6名,女性9名,平均年齢69.7(SD9.3)歳)の内容分析の結果,【文字イメージの復活・文字を整斉する能力の向上・文字を整列する能力の向上・筆記具の操作性の向上・書字の実用性の向上・左手特有の書きにくさへの対処・筆記具の持ち方の工夫・紙の固定方法の工夫・書字に対する肯定的な気持ちへの変化】の9カテゴリ,《認知機能の改善・能力の向上・対処方略の獲得・気持ちの変化》の4分類に集約された.本結果は当該書字練習における支援方法や評価指標の開発に有益な示唆を与えると考える.

  • 身体関連課題を用いて
    富士本 百合子, 安達 潤
    自閉症スペクトラム研究
    2020年 17 巻 2 号 15-21
    発行日: 2020/02/29
    公開日: 2021/02/28
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は、自閉症スペクトラム障害(以下、ASD)のある当事者が運動制御を行なう場面や自己身体を認識する場面で、視覚情報と体性感覚情報の統合について検討することである。能動的な運動制御である描画運動をする図形描画課題と、受動的な触刺激位置弁別課題の2つの身体関連課題を設定し、検討を行なった。各課題ともに、視覚情報あり条件と視覚情報なし条件の2つ条件で行ない、視覚情報の有無が課題遂行に及ぼす影響を検討した。その結果、ASDのある当事者は視覚情報が得られず体性感覚情報のみを頼りに描画するとき、描画運動の初期で描画行動の調整が困難になることが示された。また触刺激位置弁別課題では、視覚情報が得られずに触刺激の提示された身体位置を判断する際にASDのある当事者は、課題の難度に左右されず身体表象の明確さに個人差が大きいことが示された。

  • 西島 和秀, 奥田 憲一
    作業療法
    2019年 38 巻 6 号 721-726
    発行日: 2019/12/15
    公開日: 2019/12/15
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,重症心身障害者に対し姿勢ごとの快適性を快反応と瞬目率の変化から評価できるか否かを検討することであった.方法は,シングルケース実験法におけるABAB法で行った.話しかけと見守りを交互に行い,ビデオ撮影で記録した.ビデオ記録から笑顔の段階で評定した快反応が見られた時間の平均と,外界刺激に対する応答的反応としての瞬目率を算出し,ベッド上背臥位と座位保持装置上座位を比較した.結果,座位保持装置上座位は,ベッド上背臥位より快反応時間が短く瞬目率が低いことから,快適性が低いと推測された.以上のことから,反応が乏しい重症心身障害者であっても,行動指標を用いて姿勢ごとの快適性を評価できる可能性が示された.
  • ─発達障害児は物にぶつかることが多い─
    島谷 康司, 田中 美吏, 金井 秀作, 大塚 彰, 沖 貞明, 関矢 寛史
    理学療法科学
    2008年 23 巻 6 号 721-725
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]本研究の目的は,くぐり動作を用いて,発達障害児と健常児の障害物への身体接触を比較検証することであった。[対象]5~6歳の健常児と発達障害児,各9名を対象とした。[方法]課題は7種類の遊具と高さの異なる6つのバーを交互に設置したコースを通り抜けることであった。障害物との接触回避に関する注意喚起を与えない条件,接触回避を与える条件,そして接触回避および早く移動することを促す条件の3条件を設け,それぞれ1試行ずつ行わせた。[結果]発達障害児は健常児に比べて,条件に関わらず接触頻度が高かった。また,発達障害児は腰部の接触頻度が高かった。[結語]発達障害児の接触の多さは,注意の欠陥が原因ではないと考えられる。また,視覚フィードバックを随時利用して,接触しないようにくぐり動作を行うことが困難な状況において身体接触が多いことから,身体特性情報に基づく行為の見積もりの不正確さが,発達障害児の身体接触の多さの原因であることを示唆した。
  • 柿本 多千代, 松井 三枝, 中澤 潤, 吉田 丈俊, 市田 蕗子
    富山大学医学会誌
    2012年 22 巻 1 号 28-32
    発行日: 2012年
    公開日: 2023/07/20
    ジャーナル フリー
     Bayley乳幼児発達検査-第3版(Bayley−Ⅲ)は乳幼児の発達を詳細に,かつ客観的に評価でき,世界標準で用いられることの多い検査である。しかし,日本版は未だ作成されておらず有用性は確かではない。本研究では,日本人健常12ヵ月児42名と36ヵ月児81名にBayley−ⅢとBayley式検査-第2版(BSID−Ⅱ),発達質問紙(津守式)を実施し,Bayley−Ⅲの有用性を検証した。米国の健常児と比較した結果,12ヵ月児では言語尺度の得点低下,36ヵ月児では微細運動の得点上昇が認められた。BSID−Ⅱよりは全体的に得点は高く,尺度間には高い相関が確認された。津守式では,両年齢ともに月齢相応の発達を示していた。Bayley−Ⅲの言語尺度においては,日本人小児には見合わない文法が認められたが,それ以外の教示や用具など実施上の不都合はなく,Bayley−Ⅲは日本でも使用可能な検査であった。
  • 後藤 多可志, 石井 利奈, 春原 則子
    高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
    2016年 36 巻 4 号 470-475
    発行日: 2016/12/31
    公開日: 2018/01/05
    ジャーナル フリー

      近年, 立方体透視図模写課題の小児への適用が進んでいる。しかし, 立方体透視図の模写が可能となる年齢や, 遂行の可否に関与する認知機能については未だ明らかとなっていない。本研究では, 立方体透視図模写遂行における発達的変化を分析するとともに, 当該課題の遂行に関与する認知機能について検討することを目的とする。5 から 18 歳の幼児, 児童および生徒37 名を対象に, 立方体透視図の模写課題を実施し, 依光ら (2013) に従って得点化した。同時に, 視機能, 運筆能力, 視知覚および構成能力を評価する課題を実施した。その結果, 立方体透視図模写課題の得点は8 から9 歳にかけて有意な上昇を認めた。また, カテゴリカル回帰分析の結果, 構成能力と運筆能力が立方体透視図模写課題の得点を有意に予測していた。立方体透視図の模写課題は9 歳頃から遂行可能となり, 課題遂行には構成行為のプランニングと運筆能力が関与していると考えられた。

  • ―子どもの発達評価とその課題―
    中島 そのみ, 岸 玲子
    日本衛生学雑誌
    2009年 64 巻 4 号 765-773
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/02
    ジャーナル フリー
    Polychlorinated biphenyls (PCBs) and dioxins are persistent environmental pollutants. The effects of these pollutants on neurodevelopment in children have been assessed in longitudinal studies performed in areas with low-level contamination of PCBs and dioxins. Some of these studies have shown that the PCBs and dioxins induced adverse effects on the neurodevelopment of children. However, other studies did not reveal any negative effects of these chemicals on development. Thus, consistent results describing the effects of low-level PCB and dioxin exposure on children’s development have not been obtained. To study the effects of these agents on the neurodevelopment of children, it is essential to identify the target of the study, determine the duration of the study, and devise a protocol for performing the studies, as these are important factors that affect research findings. Furthermore, detailed evaluations of neurodevelopment should be performed by longitudinal methods to obtain reliable measurements of outcomes. However, it is necessary to assess the burden on subjects; this step can help reduce the loss of subjects and determine the most suitable approach to evaluating neurodevelopment.
  • ―「環境と子どもの健康に関する北海道スタディ」を基に―
    湯浅 資之, 岸 玲子
    日本衛生学雑誌
    2009年 64 巻 4 号 774-781
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/02
    ジャーナル フリー
    Recently, the effects of environmental risk factors including chemical compounds and parents’ lifestyles on the health of the next generations have widely gathered public concerns around the world because of the vulnerability of children to such environmental risk factors. To elucidate the processes and mechanisms of the effects in more detail, the authors started a prospective birth cohort study, namely, the Hokkaido study of Environment and Children’s Health in Hokkaido, the northern area of Japan. The study consists of two cohorts: a large-scale cohort throughout Hokkaido and a hospital-based small-scale cohort. The former was established in 2003 in collaboration with forty obstetric hospitals and clinics around Hokkaido to estimate the prevalence of congenital malformations and investigate the association of congenital anomalies with environmental risk factors in pregnant mothers at a background level. The latter was lunched in 2002 at the time of enrollment of pregnant women recruited at an obstetric hospital in Sapporo so as to examine the relationships of environmental substances such as polychlorinated biphenyls (PCBs), dioxins, persistent organic pollutants (POPs), and heavy metals with infants’ and children’s health outcomes including birth size, neurobehavioral development, thyroid function, and immunologic system. In the study of both cohorts, we attempt to determine the role of gene polymorphism on the occurrence of adverse outcomes in infants and children. Although the prospective cohort study with well-designed epidemiological protocols may provide many scientific lines of evidence, many human and financial resources are required to support the study until its completion and maintain the biobanks as well as data banks. In Japan, it is urgently necessary to establish a system that supports the implementation and management of a cohort study.
  • 小玉 武志, 中村 裕二, 須鎌 康介, 高橋 奈津美, 佐藤 匠, 前田 美穂, 堀本 佳誉, 中島 そのみ, 津川 敏, 仙石 泰仁
    日本重症心身障害学会誌
    2011年 36 巻 2 号 328
    発行日: 2011年
    公開日: 2023/11/23
    ジャーナル フリー
    はじめに 重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))の多くは、脊柱や胸郭変形といった変形・拘縮のほかに、手指、手関節など末梢にも重度な変形を呈しているものも多い。手指の変形・拘縮はADL動作や上肢活動の阻害だけではなく、認知発達の障害を引き起こす要因ともなる。さらに、手指の握り込みは手掌面の発汗による不衛生を引き起こし、手指が開きにくいことで清拭の行いづらさや骨折リスクの増加にもつながる。当施設では、これらの改善を目的に、生活場面への直接介入により手指・手関節に対するスプリントの導入を行ってきた。本研究では、3名の対象者に対する介入効果の検討を行うことを目的とした。 方法 当施設に入所中の重症児(者)3名(すべて男性、10歳、20歳、49歳)を対象とした。手指の握りこみおよび手関節のアライメントの改善を目的に、掌側カックアップスプリントを作製した。作製前に徒手での保持を行い、筋緊張が減弱するのを確認した。1名の対象者は肘関節の顕著な屈曲拘縮も認めたため、肘関節のスプリントも作製した。介入は週5日、1日40分とした。介入の効果は、関節可動域評価と修正Tardieu Scaleを用いて評価を行った。また、スプリント使用後の手掌面に対する感覚刺激の受け入れや、手指の握りこみの強さ、湿潤の様子などに対しては観察評価を実施した。 結果と考察 3名とも関節可動域に著明な変化は認められなかった。肘関節のスプリントも使用した対象者は、上腕二頭筋の痙性の程度が2から1へと減弱した。また、スプリント使用後は手掌面の湿潤も軽減し、家族および他職種から「触れられることに対する驚愕反応の減少があった」との意見がみられた。さらに、日常的な手指の握りこみが減弱し、他動的な運動に対しての抵抗感も減弱した。痙性筋に対するスプリント効果については一定の見解はみられないが、衛生面や感覚受容面の改善にスプリントが寄与する可能性が示された。
  • 鈴木 敦史, 大須田 祐亮, 堀本 佳誉, 高田 千春, 近藤 腱, 樋坂 悠佳, 門間 美和, 小塚 直樹, 津川 敏
    日本重症心身障害学会誌
    2011年 36 巻 2 号 328
    発行日: 2011年
    公開日: 2023/11/23
    ジャーナル フリー
    目的 重症心身障害者において、身体的な障害の重症度により風に吹かれた股関節変形(以下、WHD)の程度に差が認められるか明らかにすること。 方法 脳障害を起因とする20歳以上の重症心身障害者37名を対象とした(男16名、女21名、年齢47.62±11.27歳)。身体的な重症度の評価は「粗大運動能力分類システム(以下GMFCS)拡張・改訂されたもの」を使用してGMFCSレベル4またはGMFCSレベル5の判定を行った。WHDの評価はGoldsmith法によるGoldsmith index(以下、GI)の計測を行い、2回実施して平均値を求めた。対象者をGMFCSレベル4群(以下4群)およびGMFCSレベル5群(以下5群)に分類した上で、両群間で GIに差が認められるかMann-WhitneyのU検定により分析を行った。統計学的分析における有意水準は5%とし、統計処理ソフトはSPSS13.0J for Windowsを使用した。 結果 GMFCSレベルの判定の結果、4群には11名、5群には26名が分類された。両群におけるGIの平均値は4群では7.64±2.21度、5群では27.91±5.47度であり、4群と5群の間でGIに有意な差が認められた(U=53.000、Z=2.992、p=0.003)。 考察 結果から5群の重症心身障害者では、4群の重症心身障害者と比較して、WHDが重度であることが示唆された。GMFCSレベル5では、GMFCSレベル4と比較して、自ら姿勢の安定を図ることや自力での移動能力に制限を有している。加えて姿勢変換が困難であるため、重力の影響を強く受けて四肢や体幹のアライメントが定型化されることが考えられる。このような姿勢が長期にわたることで変形は構築的なものとなり、WHDがより重症化すると考えられた。
  • 伊藤 佳奈子, 勝二 博亮, 田原 敬
    特殊教育学研究
    2020年 58 巻 2 号 73-84
    発行日: 2020/08/31
    公開日: 2021/04/21
    ジャーナル フリー

    本研究では、就学前に協調運動の困難さへの気づきを促すためのチェックリストの開発を 目的として、年長幼児の保護者96名を対象に質問紙調査を行った。さらに、手先の器用さをアセスメントできるPWT描線テスト(尾崎, 2018)を年長幼児27名に実施し、協調運動の困難さと描線能力との関連を検証した。因子分析の結果、「粗大運動因子」「微細・協調運動因子」からなる2因子17項目が抽出され、いずれも十分な内部一貫性が認められた。PWT描線テストでは、描線能力の困難さが推定された幼児において、質問紙の総合得点と微細・協調運動因子の得点がいずれも5 パーセンタイル値を下回っていた。さらに、PWT描線テスト実施中の描線軌跡をデジタルペンで記録したところ、線引き課題で顕著な速度上昇が認められた。これらの結果から、運筆コントロールが十分でなく運筆操作が困難な子どもを、チェックリストにより抽出できる可能性が示唆された。

  • 伊勢 正明, 首藤 晃
    帯広大谷短期大学紀要
    2015年 52 巻 51-62
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2017/06/16
    ジャーナル フリー
    本稿は、訓練を中心とした従来の知的障害児の療育に対して、最近、進んできている社会や制度における障害の捉え方の変化、診断基準の変更、障害者美術に関する活動の盛り上がり、等を受けて、これまでの療育活動に加えて新たな指導・援助方法としての美術表現活動について検討したものである。特に、療育や保育の視点ではなく、美術の専門的な視点からアール・ブリュットについて言及し、知的障害児が制作した作品に対して、その内面から生じる衝動を見出し得る障害児施設職員の知識・技能・体験の向上充実が必要であり、これを支持する研修活動と知的障害児の制作した作品を公表する取り組みを同時的に行うことが重要であると訴えた。
  • ―エコチル調査の開始にあたって―
    稲寺 秀邦
    富山大学医学会誌
    2011年 21 巻 1 号 23-30
    発行日: 2011年
    公開日: 2023/07/20
    ジャーナル フリー
     化学物質等,種々の環境要因の子供や次世代に及ぼす健康影響が危惧されている。わが国では,2007年に「小児環境保健疫学調査に関する検討会」が立ち上がり,大規模な新規出生コホート調査の必要性が提言された。これらの検討をふまえ,2010年度から,3年間で10万人の妊婦を登録し,生まれた子どもが13歳に達するまで追跡する「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」がスタートすることになった。エコチル調査は,妊娠中や出生後早い時期の環境要因が,子供たちの成長や発達にどのような影響を及ぼすかについて明らかにすることを目的としている。本総説では,エコチル調査の概要・目的・期待される成果等について概説する。
  • 渋谷 郁子
    特殊教育学研究
    2016年 54 巻 3 号 169-178
    発行日: 2016年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、はさみ操作を題材として、子どもの道具使用に影響を与える要因を検討することである。そのため(1)はさみの把持および運動の正確さ、速さの観点から子どものはさみ操作を解析した。また(2)はさみの把持および運動の正確さ、速さと認知発達との関連を調べた。具体的には、年中・年長児92人に、さまざまな刺激図形の輪郭線を、正確かつ速くはさみで切るよう求め、はさみの把持パターン、逸脱量、運動時間の3点を分析した。その結果、対象児の80%程度が一貫した把持パターンを示すこと、また円図形を速く正確に切る操作が困難であることがわかった。さらに、これら3点の間には直接的な関係がみられないことが示唆された。続いて、逸脱量と運動時間の結果に基づいて対象児を4群に分類し、群間でK式発達検査得点の平均値を比較した。結果より、正確な操作には物の形状の理解が、正確かつ迅速な操作には課題文脈の理解が関連している可能性が示唆された。
  • 新庄 真帆, 加藤 寿宏, 松島 佳苗
    LD研究
    2019年 28 巻 2 号 241-248
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/12/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は固有感覚と触覚に着目し,紙面上の抵抗を増大することが運筆コントロールの正確性の改善に有効であるか検証することである。通常学級の1年生133名を対象とし,紙面上の抵抗を増大するために紙やすりを用いた。結果,対象者全体で紙やすりがある条件で運筆コントロールの課題成績が有意に高くなった(p<.05)。やすりの効果(紙やすりの有無による点数差)と感覚検査のスコアには有意な相関は認められなかった(固有感覚:p=.07,触覚:p=.35)。運筆コントロール能力による群間比較では,固有感覚のスコアのみ不良群で低くなる傾向が示された(固有感覚:p=.07,触覚:p=.19)。また不良群では紙やすりがある条件で運筆コントロール課題の成績が有意に向上した(p<.01)。運筆コントロールが不良な児に,固有感覚のフィードバックを考慮し紙面上の抵抗を増大する支援が有効であることが示唆された。
  • ―福岡県におけるアンケート調査結果より―
    門田 光司
    学校ソーシャルワーク研究
    2011年 6 巻 2-14
    発行日: 2011年
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,小・中学校の特別支援教育コーディネーターが担う校内及び校外の連絡・調整活動の実態調査より,特別支援教育コーディネーターが校外協働に際してスクールソーシャルワーカーの支援を必要としているかどうかを明らかにすることにある.調査は福岡県内の小・中学校の特別支援教育コーディネーターを対象にアンケート調査を実施した.502名より得られた結果では,校内にて教員によるケース会織を開催している比率は約8割と高率であったが,学校と関係機関によるケース会議の開催比率は半数程度であった.しかし,関係機関との校外協働はあまり行われていない状況にあった.この状況背最には,学級担任兼務による業務上の困難さが見られた.そして,約8割がスクールソーシャルワーカーの支援が必要と回答した.以上より,子どもの特別支援教育に際し,校外協働を推進していくうえでスクールソーシャルワーカーによる支援の必要性が見出された.
  • 日景 朱美, 野原 幹司, 杉山 千尋, 田中 信和, 高井 英月子, 上田 菜美, 深津 ひかり, 阪井 丘芳
    日本口蓋裂学会雑誌
    2016年 41 巻 1 号 1-7
    発行日: 2016/04/25
    公開日: 2016/05/13
    ジャーナル 認証あり
    【緒言】唇顎口蓋裂患者における構音障害の発現には,鼻咽腔閉鎖機能や口蓋形態が深く関与していることが知られているが,それらに大きな差がないにも関わらず,構音障害を発現する患者と発現しない患者が存在する。このことは構音障害の発現には鼻咽腔閉鎖機能や口蓋形態以外の要因が関与している可能性があることを示唆している。構音障害を認める者は協調運動にも問題があることが非唇顎口蓋裂患者において報告されているが,唇顎口蓋裂患者においては検討がなされていない。そこで我々は,唇顎口蓋裂患者の協調運動と構音障害の発現に関連があるか調査を行った。
    【対象と方法】2011年11月〜2012年4月の間に経過観察や言語訓練のために大阪大学歯学部附属病院を受診した唇顎口蓋裂患者61名を対象とした。保護者に,発達性協調運動障害のスクリーニング質問紙の記入を依頼した。対象を構音障害あり群/なし群の2群に分け,2群間の協調運動((1)総合得点(2)粗大運動得点(3)微細運動得点(4)全般的協応性得点)の差異の有無の判定を行った。
    【結果】(1)総合得点は,構音障害なし群においては基準値未満の者は7名,以上の者は25名であり,構音障害あり群においては基準値未満の者は14名,以上の者は15名であり,両群間に有意差を認めた(p<0.05)。
    (2)粗大運動得点および(3)微細運動得点では,構音障害なし群,構音障害あり群の両群間に有意差を認めなかった。
    (4)全般的協応性得点は,構音障害なし群においては基準値未満の者は5名,以上の者は27名であった。構音障害あり群において基準値未満の者は13名,以上の者は16名であった。両群間に有意差を認めた(p<0.05)。
    【考察】唇顎口蓋裂の構音障害の発現においては,構音器官という局所の問題以外に全身の協調運動障害も要因となる可能性が示された。
  • 宮本 礼子, 藤本 泰成, 井上 薫, 伊藤 祐子
    作業療法
    2023年 42 巻 3 号 289-298
    発行日: 2023/06/15
    公開日: 2023/06/15
    ジャーナル フリー

    本研究は右利き者の筆順に着目した際の左右手の運筆機能の相違を解明することを目的とした.20名の健常右利き男女を対象に,日本語の字体的特徴を含む図形4種に筆順条件を付加した課題を実施した.収集したデータは 図形を要素に分解し,描画時間・筆圧・仰角・方位角・筆跡躍度・筆跡一致率に関する左右手データを比較した.結果,多くの要素で右手での筆圧が高く,仰角と方位角は要素毎に特徴的な左右差を示した.一方筆跡躍度と筆跡一致率に左右の有意差はなかった.今回筆順条件を加えたことで左右手の運筆機能の違いを示すことができた.非利き手では筆順の影響に伴う不自然な運動方向となり,筆圧がかかりにくいことが明らかとなった.

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