1961~1962年にかけて静岡漿賀茂郡稲梓, 下田町における促成絹莢えんどうの大害虫であるウラナミシジミの幼虫, 蛹を各種温度で飼育して, 温度と生育との関係を調査した,
成績は次のとおりである。
(1) 蛹期間と温度との関係
(イ)蛹日数
35℃で5.9~5.1日, 30℃で6.1, 25℃で8.1~7.6, 20℃で13.2~11.0, 15℃で31.3~29.4, 12℃で56.6~51.0である.
蛹期間と温度との関係式
D=10
4,07/T
2,22D…日数 T…温度
(ロ) 温度を変えて飼育した場合の蛹の生育状況
i 1℃の温度で10日間飼育した場合,蛹の生育におよぼす影響は少い.
ii 8℃の温度で飼育した場合には蛹の生育に支障を来すことはなく,その後,温度を高めて飼育すると成虫になる.
(2)幼虫の生育と温度との関係
i 15~20℃の温度で飼育した場合には,若~老令幼虫ともに順調に生育する。
ii 8℃以下の温度で飼育した場合には老令幼虫は蛹になるが中令幼虫以下のものは生育に支障を来し,死亡する.
iii 1℃の温度で飼育した場合には,幼虫は摂食活動を中止するので,幼虫の生育はみられない.
(3)さやえんどうの被害と幼虫の生育状況温度が高い場合には幼虫の生育はよく,従つてさやえんどうの食害も多くなる。
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