五酸化二ヒ素(As
2O
5),ヒ酸ニッケル(II)(Ni
3(AsO
4)
2=3NiO・As
2O
5),ヒ酸コバルト(II)(Co3・(AsO
4)
2=3CoO・AsO
5),ヒ酸アルミニウム(AIAsO
4)およびヒ酸鉄(III)(FeAsO
4)を試薬を用いて調製し,熱テンビン装置によりそれらの熱分解速度を検討した。系内の酸素圧PO
2(atm)をAr-O
2混合ガスで変化させると見かけの活性化エネルギーΔE(kcal/mol)はPo
2により変化した。また前記化合物からAs
4O
6とO
2ガスがそれぞれ0.5molと1mol生成するときの反応熱をΔHとすれば,≦0.2ではΔE=(1/2)・ΔH,Po
2≧0.5ではΔE=ΔH,また0.2<Po
2<0.5では(1/2)・ΔH<Po
2<ΔHの関係を示した。しかも以上の関係は測定したヒ酸化合物すべてに成立した。
これらの速度式を気体分子運動論から導かれた自由蒸発速度式をもとに考察すると,Po
2≦0.2では平均蒸気種AsO
1.5がPo
2≧0.5ではAs
2O
3が化合物表面から離脱すると推定された。
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