今後予測される航空交通需要の増大に対応するため,交通流が集中する首都圏空港の容量拡大が急務となっている.空港容量の拡大には離着陸間隔の短縮が有効であるが,そのためにはレーダ管制間隔より大きな間隔を要求する後方
乱気流
管制間隔(航空機の後方に発生する一対の強い渦(後方
乱気流
)に後続機が遭遇することを避けるために設けられた間隔)を短縮する必要がある.(独)宇宙航空研究開発機構では,後方
乱気流
が飛行経路上に残留する時間が気象条件によって大きく変化する性質を利用し,残留時間が短いと予測される気象条件下において後方
乱気流
管制間隔を短縮する動的な管制間隔の設定方式の研究を進めている.本稿では,管制間隔短縮時の安全性が現行間隔時と同等であることを定量的に保証するため,不確定要因である後方
乱気流
の挙動予測の誤差を定量的に考慮した安全性評価手法を紹介する.さらに,動的な管制間隔の設定方式を首都圏空港に適用した場合の後方
乱気流
管制間隔の短縮効果を試算によって示す.
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