水稲の光合成速度に及ぼす
二酸化硫黄
の影響を調査する場合の設定条件について詳細な検討を行った.
二酸化硫黄
処理時の環境条件や水稲の葉位, 部位, 生育時期の違いにより
二酸化硫黄
処理の影響が異なるか否かを, 処理開始時光合成速度と光合成阻害率および光合成回復率から検討した. 処理対象を個体とした場合, 8時から14時の間に行った
二酸化硫黄
処理では, 光量子束密度や同化箱内の二酸化炭素濃度が異なった条件下であっても, 光合成阻害率および光合成回復率はほぼ一定であった. 次に, 処理対象部位を個葉とした場合,
二酸化硫黄
に対する反応を光合成阻害率で比較すると, 最上位展開葉が高かった. そこで, 止葉を用いて生育時期別に
二酸化硫黄
処理を行ったところ, 出穂期後10日目と20日目に比べ, 出穂始と出穂期の光合成阻害率が高かった. また, 播種時期や栽培方法が異なった供試材料を用いても, 出穂期後10日目の止葉に
二酸化硫黄
処理を行うと, 光合成阻害率が安定することから,
二酸化硫黄
処理は出穂期後10日目頃に止葉を対象とするのが最適であると考えられた.
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