モノクロタリン (Mct) 投与後のラット肺におけるサイトカインの関与について気管支肺胞洗浄 (BAL) を施行して得た肺細胞を培養し, その上清から Interleukin-2 (IL-2) 活性能を測定し検討した. 4週齢, 雄, SD系ラットを用い, Mctを投与後1, 2, 3週目に右室収縮期圧測定後, 取り出した肺にて大BALを施行した. 大BALにより得た肺細胞を2.5×10
5/mlに調整し24時間培養した後, 上清から Interleukin-2 (IL-2) 活性能を bioassay 法にて測定した. 実験結果は, IL-2活性能はMct投与後2週でのみ有意な増加を示した. Mct投与後2週目は, 組織学的には滲出期から増殖期に変わる時期であり, この時期にIL-2活性能が増加したことから, Mct投与後ラット肺においてサイトカインにより各種細胞が互いに活性化し, 病像を進行させ, ラット肺高血圧の成立に関与していることが示唆された.
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