骨粗鬆症治療の証価法の確立のため, Dual photon absorptiometry 法 (DPA法) の連続測定における精度を検討し, あわせてエルカトニンと1α-OHD
3投与例において, その骨塩量の変動を調査した.
4例の健常人においてDPA法による全身骨塩量 (TBBMC) の測定値の再現性を検討した. TBBMCの4例のCV値は1.22±0.35% (mean±SD) であり, TBBMCは1.6%以上の変動が測定上では有意であろうと考えられた.
15例の骨粗鬆症例において, エルカトニン10~40単位を週1回投与群 (E-群, n=10) と1α-OHD
3 0.5μg/日を連日投与群 (α-D
3群) に分類し, 3~6カ月後のTBBMCの変動を検討した. E群のTBBMCは投与前, 3カ月後及び6カ月後においてそれぞれ1,419±398g, 1,444±425g及び1,752±401g (mean±SD) であり, 6カ月後のそれは前値に対し101.9±2.7%へと上昇した (p<0.01, paired t-test).
一方1α-OHD
3投与群は同様に, 904±329g, 918±423g及び875±271gであり, 増加傾向を示すものと示さぬものに別れた.
以上の結果は, DPA法によるTBBMCの測定が安定して高精度に施行しうることを示している.
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