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クエリ検索: "井上武吉"
4件中 1-4の結果を表示しています
  • ―シラバス調査による傾向の把握を通して―
    松尾 大介, 岩永 啓司
    美術教育学研究
    2022年 54 巻 1 号 313-320
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/03/31
    ジャーナル フリー

    本稿では,新しい学習指導要領に対応した教員養成における彫刻表現の授業を検証するにあたり,内的世界を外在化していく過程であるプレフィグラツィオンに着目し,素材への転換と表現形式に応じた「見方・考え方」を重視した。大学のシラバス調査から授業内容と目的を把握し,プレフィグラツィオンの諸段階(意図した対象を最終的形象に結実する〈協調〉,強調・純粋化する〈抽象化〉,素材との対応から始まる〈初発〉)を観点に実技・演習の題材を分析した。分析の結果,〈協調〉の人体塑造で造形力を養成する題材を中心に構成し,彫造や集合の題材で自由な主題を扱う授業の傾向を確認した。一方,各表現形式等のバランスや主題生成を目的とした題材,〈初発〉の題材を検討する必要性が示唆された。また〈抽象化〉の題材やプレフィグラツィオンの進行における要素の省察により,教員として必要な説明力を向上させる意義が認められた。

  • 竹田 直樹
    デザイン学研究
    1993年 40 巻 1 号 13-18
    発行日: 1993/05/31
    公開日: 2017/07/25
    ジャーナル フリー
    公的空間に設置される美術作品としての彫刻作品は,作品内容と存在意義が乖離しやすいという特有の性質があり,この性質が市民に彫刻作品の存在意義を認識しにくくする要因になる。本報では,この性質をふまえ,作品内容がどのようなものであるべきなのかという点について考察した。まず,公的空間に設置される美術作品としての彫刻作品の存在意義を,1)良好な景観形成を目的とするもの,2)地域の個性の表現を目的とするもの,3)文化振興を目的とするもの,という3つに類型した。各類型および類型に入らない「母子像」の類に関して,存在意義と作品内容の間に具体的な関連性を見出せる事例を抽出しながら,両者の関係を論じた。具体的な事例を上げにくい場合,両者の関係について定性的な整理を行なった。いずれの類型においても,存在意義と作品内容の間に関連性を確立するのは可能である。しかし,設置場所との関係,作品内容決定のプロセスの活用に対する配慮が重要である。
  • 竹田 直樹, 田川 郁代, 八木 健太郎
    環境芸術
    2002年 2 巻 17-24
    発行日: 2002/10/21
    公開日: 2017/10/06
    ジャーナル フリー
    本論は、神戸ハーバーランドを調査対象地とし、都市景観を構成する造形物がどのようなメカニズムで都市の魅力に関わる演出に貢献するのかについてをテーマとする。調査と分析の結果、従来からの造形物に対する類型には当てはまらない多数の事例の存在や、都市空間においてハイ・カルチャーの象徴的な位置づけを得てきた美術作品が、サブ・カルチャーの代表事例といえるショッピング・モール型ディスプレーデザインによって、それらと等価、並列にされてしまう現象等をとらえることができた。神戸ハーバーランドにおいて、都市景観を構成する造形物は、脱類型化と等価、並列化によって、都市の魅力に関わる演出に貢献しているのである。
  • 宮坂 慎司
    彫刻研究誌 アートライブラリー
    2021年 22 巻 29-38
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/09/04
    ジャーナル オープンアクセス
    本論は、造形材料と作家の関わりに焦点を当て、素材感と彫刻造形の関係に新たな考察を与えることを目的とする。研究に際しては、技法書における素材論を検証し、併せて素材に対するアプローチに特徴の作家として佐藤玄々、長谷川昻、淀井敏夫を取り上げた。調査に際しては、作品及びその制作過程を示す原型に焦点を当て、これらについて実見・熟覧することで素材に関わる作家の姿勢と思想を考察した。結論として、素材感を示すテクスチャは、表面的な様相を示すだけのものではなく、作家にとっては自身の造形の導く要素ともなることが示唆された。素材は、制作行為の間に絶えず作家に関与し続けるものでもある。彫刻は、作家と素材との距離感が近い芸術領域であることは自明のことで、制作を実践している多くの彫刻家たちによって触覚的な芸術として位置づけられている所以もその点にあると考察する。実際に作家たちの原型制作に焦点を当て、その痕跡を検証したことで、それぞれの制作行為そのものに素材のイメージが内包されていた論考を得るに至った。
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