重合核Alイオン存在下での珪藻の生息に及ぼす共存金属イオンの影響を検討するために, Ca, MgあるいはZnとの共存下において,
Nitzschia paleaの培養試験を行った. Zn単独の場合では, その濃度が0.2mg/l以上の条件で
Nitzschia paleaへの阻害作用が確認された. Al単独の場合では, 重合核Al画分濃度が0.4mg/1以上で
Nitzschia paleaへの阻害作用がみられたが, 0.03mg/lのZnとの共存下では, 重合核Al画分濃度が0.1mg/lと低い場合でも
Nitzschia paleaへの明らかな阻害が生じ, 複合的な影響が示された. 一方, CaあるいはMgとの共存は, 重合核Alイオンの影響を緩和することが示されたが, 実際の河川では, 両金属の濃度が低いため抑制の度合いは低いと考えられる.
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