Fosfomycinは,
Streptomyces wedmorensisおよび
S. fradiaeなどの放線菌により産生される新規抗生物質である1~3)。本物質は, エポキシ環をもつきわめてユニークな化学構造をもち, 細菌細胞壁合成の初期過程を阻害し, グラム陰性菌および陽性菌等に有効な, 広域スペクトルをもつ抗生物質で, 他剤との交叉耐性はなく, 特にグラム陰性菌感染症に卓越した効果を示す物質である4~10)。
本剤の安全性については, 小枝ら11~13) によつて急性, 亜急性および慢性毒性試験がおこなわれた。著者らは, 本剤の生殖試験のうち, 妊娠前および妊娠初期投与試験と胎仔器官形成期投与試験について, ラットあるいはウサギを用いて検討し, 報告した14~15) 。
今回は, ラットの周産期および授乳期に投与し, 仔 (F
1) の発育分化, 行動および次世代 (F
2) への影響について検討したので, その結果を報告する。
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