近年の河川改修では, 自然と融合, 更には創出することまでが目的に含まれるようになり, それを実現する工法として「多自然型河川工法」が模索的に考案されつつある, この工法は可能な限り自然を取入れた河川改修を行うためのものである.
近代以前の日本の河川工法は自然材料のみに頼らざるを得なかった. 最近では, この工法を「伝統的河川工法」と呼び, 「多自然型河川工法」への応用が試みられている, 本研究は, この動向の一助として, 近世の河川技術における自然材料, 特に植物について, その特性がどのように認識され, 利用されたのかについて調査したものである.
研究の結果, 近世の河川技術では種々の植物が利用されていたが, 大勢としては, 各工法ごとに適する植物がほぼ決まっていたことが分った. その他, 本研究に掲載した史料は, 今後, 「多自然型河川工法」での自然材料の選択や利用に際し, 有益な情報を提供すると考えられる.

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『すばる』に 保苅瑞穂の「ポール・ヴァレリー現代への遺言：わたしたちはどんな時代に生きているのか」と題する文学的エッセイ集が連載された。1964–1967年パリ大に留学した当初の保苅は、日本文化とはちがう、個人主義的で強靭なフランス文化に圧倒されたが、やがて、フランス、特にパリを「第二の故郷」と考えるほど好きになる。フランス人の精神的な強靭さは何に由来するのか問い続けた。それに答えてくれたのがヴァレリーの存在だった。帰国40年後ふとしたことからパリが懐かしくなり、職を辞してパリへ移り住んだ。そこで書いたのがこの自伝的作品である。わたしがここで指摘したいのは、この作品が書き手の「自

」素材をベースにヴァレリーの「」素材を組み込んだデイスコース―auto/biographical writing―であるということ、それによって読者を納得させ、感動させてしまう文学的な効果をあげているという言語事実である。作品中の例によって見ていった。

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This article attempts to analyze the background of Foreign Minister Uchida's positive policy toward China. Uchida strongly advocated the recognition of “Manchukuo” and in August 1932 said that “we have to do it at all costs, even if Japan is reduced to ashes”.
There are several reasons why Uchida gave such an emotional speech in the parliment. The first and primary one is that Uchida changed his soft policy toward Manchuria under strong pressure of the Kuantung Army. When the Manchurian Incident occurred on September 18, 1931, Uchida was the President of the South Manchuria Railway Company. At first Uchida tried to arrange a cease fire through negotiations and was critical of the use of force. But Uchida suddenly changed his attitude after September 26th when he heard that the Kuangtung Army was complaining that Uchida was not cooperative to them. After that, Uchida beamec the spokesman for the Kuantung Army and went to Tokyo to persuade the Prime Minister and other political leaders to support the policy of the Kuantung Army. Finally he became Foreign Minister with the backing of the Kuantung Army.
However, there are other reasons why Uchida easily followed the military line.
One is Uchida's idea of “Asia under Japan's leadership”. He advocated this idea as early as 1890 when he entered the Foreign Ministry. This idea was repeated many times after that. Another reason is connected with his social background. Uchida came from Kumamoto, and had no connection with Hanbatsu. Because of his background, in order for Uchida to advance in the diplomatic service, he needed to have supporters behind him from other personal connections. He found Mutsu Munemitsu in the 1890's and Hara Kei in the 1910's and it is no wonder that he turned to the Kuantung Army in the 1930's.
His respect for the Chinese Imperial system is a third reason why he supported “Manchukuo”.
These and other reasons are discussed by the author in the article.

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　本稿では，小学校国語科教科書に掲載されている

教材を軸に学習マンガ，映画を対象として被伝者「宮沢賢治」の語られ方の差異について検討した。 　従来の単一テクストの教材のみの学習では，被伝者を多面的に見ることや，筆者の存在に意識的になることが難しいとされてきた。また，被伝者と学習者の距離感が課題とされてきた。そこで，学習マンガや映画を含む複数テクストを用いた比べ読みを行うことで，そのような課題を克服し新たな教材の価値とともに，複数メディアによる教育の新たな可能性を提示することを目的とした。分析の結果，テクスト間の語られ方の差異や，そこから与える被伝者像が変化していることが明らかとなった。大学４年生を対象とした授業実践においてもテクストによって与える被伝者の印象が違うことや，被伝者の様々な一面に出会えたことから被伝者と学習者の乖離についても本稿の内容が一助となることを示唆している。

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