種々の支持体を用いてリーガスベゴニア (
Begonia×
hiemalis) の培養を行った. また, 支持体の培地への影響を調べるため培地のpH, EC (電気伝導率),全フェノール含量, 無機成分含量を測定した.
1.バーミキュライト, ポリエステル繊維, おがくず, 砂, フェノール樹脂を用いた小植物体の生育は良好であったが, おがくず, 砂, フェノール樹脂は不定芽分化が不良で, ピートモス, 海綿, パルプ, ロックウールは培地に何らかの影響を与え, 植物の生育を抑制, 阻害した.
2.培地のpHはピートモス区は酸性側に, ロックウール区はアルカリ性側に変化し, 植物生育に不適な値であった.
3.培地が褐変していたピートモス, おがくず, パルプ, フェノール樹脂区では全フェノール含量が多く,滅菌法の異なる培地の全フェノール含量とその不定芽分化率との関係からフェノール類が培地に溶出された生育阻害物質の一つであることが推察された.
4.多くの支持体でPO
43-, Ca
2+, Fe
2+成分の溶出や吸着は認められたが, 培養植物体の生育を阻害する程ではなかった.
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