ウルシオールの主成分である3- [8
Z, 11
E, 13
Z) -8, 11, 13-pentadecatrienyl] catecholの合成について検討した。 (3
E, 5
Z) -3, 5-heptadienyl-triphcnylphosphonium iodideから得られたylideと3- (8-oxo-1-octyl) catechol diacetateとのWittig反応および, カテコール水酸基の段階的な保護, 脱保護により目的化合物を高収率で合成することができた。更に, 合成トリエンウルシオールを標品として, 産地や収穫時期の異なる漆樹液中のトリエンウルシオール成分の定量分析を行った。塗料としての品質が高い漆樹液には多量のトリエンウルシオールが含まれている。従って, トリエンウルシオール成分の定量分析は, 漆樹液を評価する良い手法である。本研究によって, トリエンウルシオール成分の含有量は産地や収穫時期によって異なることが判明した。
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