糖尿病に合併した頚部膿瘍の3例を経験した. CTではすべてガス形成を認め, いずれも嫌気性菌の感染であった. 原因としては, 2例は上気道感染であり, 1例は医原性も考えられた. 頚部切開排膿を行い抗生剤の投与で2例は啓開したが, 1例は頚部切開排膿を行い, 抗生剤の投与(CZOP, CLDM)を行うも改善なく膿胸まで進行した. その後, 胸部ドレナージを行い抗生剤もCZOPをSBT/CPZに変更し治療を行い, 頚部膿瘍, 膿胸ともに改善した.
糖尿病患者の場合, 上気道感染から頚部膿瘍, 膿胸へ悪化する場合があり注意が必要であり, また頚部膿瘍の場合, 画像上ガスの存在を認ある場合は, 嫌気性菌の関与を強く疑い治療を行うべきと思われた.
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