草地および牧場景観を定量的に解析する手法として,地理情報システムによる数値標高モデルの利用に着目し,景観構造を,(1)距離,(2)可視・不可視,(3)俯角・仰角,(4)奥行き,によって把握するための地図データベースを構築する方法を示した。さらに,これらの指標を白河高原牧場内のレストハウス付近からの景観解析に適用した。この結果,1)対象地点からは対象領域の40.73km^2を眺望でき,2)西側の景観は主として高標高地や急傾斜地を含む変化に富んだ地形を眺望する仰観景で,遠距離景に至る奥行き感をとらえやすい景観であるが,3)北から東方向には中距離景に連続する遠距離景が眺望できず,4)南東の方向には遠距離景として
俯瞰景
が得られるものの,視点からの連続性にやや欠けており,西方向に比べて奥行き感を感じにくい眺望である,などの解析が可能であることを示した。
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