過敏性腸症候群 (irritable bowel syndrome : IBS) の診療ガイドラインでは, 標準的治療が奏効しなかった第3段階で心理療法が推奨されており, エビデンスを有する心理療法の1つとして
催眠療法
が挙げられている. しかしながら, 本邦において, IBSに対する
催眠療法
の有効性は十分に周知されておらず, 患者からの
催眠療法
に対するアクセシビリティも低い. 本稿では, IBSに対する
催眠療法
の適用について, そのエビデンスと背景にあるメカニズムについて述べ, 介入研究でよく使用されてきた
催眠療法
プロトコルの構成要素を紹介した. また, 実際にIBSに対して
催眠療法
を適用する際の工夫について述べ, 今後のわが国におけるIBSに対する
催眠療法
の課題と展望についても論じた.
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