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クエリ検索: "僧帽筋"
5,430件中 1-20の結果を表示しています
  • 横須賀 均, 都筑 文男, 藤村 朗, 伊藤 一三, 大沢 得二, 佐々木 利明, 野坂 洋一郎
    岩手医科大学歯学雑誌
    1982年 7 巻 1 号 89-92
    発行日: 1982/03/15
    公開日: 2018/12/31
    ジャーナル フリー

    岩手医科大学歯学部における1978年度解剖学実習において, 左側

    僧帽筋
    の下部筋束が完全に欠如した破格例を見出した。本例は食道癌で死亡した60才の日本人男性屍体に認められた。

    左側

    僧帽筋
    は上部筋束および中部筋束は正常形態を示すが, 第4~第12胸椎棘突起より起始する下部筋束は完全に欠如している。このような
    僧帽筋
    の欠如は本例を含めて過去9例の報告がみられるのみである。

  • 奥野 杏子, 田中 啓之, 岡田 潔, 岡 久仁洋, 村瀬 剛, 吉川 秀樹
    中部日本整形外科災害外科学会雑誌
    2019年 62 巻 2 号 317-318
    発行日: 2019/03/01
    公開日: 2019/07/02
    ジャーナル 認証あり
  • 黒田 重史, 森石 丈二, 丸田 喜美子, 石毛 徳之, 酒井 清司
    肩関節
    2002年 26 巻 3 号 453-457
    発行日: 2002年
    公開日: 2008/01/18
    ジャーナル 認証あり
    The purpose of this study is to make the results of trapezius transfer and Patte's procedure for massive rotator cuff tears clear. Eleven cases of trapezius transfer and eight cases of Patte's procedure were observed more than one year after the surgery. In cases of trapezius transfer, the mean age was 59 years old, and the mean size of the tear was 16.2cm2. In cases of Patte's procedure, the mean age was 62 years old, and the mean size of the tear was 17.3cm2. The mean JOA total score in cases of trapezius transfer was 62.4 before surgery and 79.5 after surgery. The mean scores of each item were as follows : pain : 12.7→24.5, function : 12.4→14.3, range of motion : 20.1→22.5, X-ray : 3.5→3.2. The mean acromiohumeral interval was 6mm before surgery and 4.6mm after it. The mean angle of active elevation was 109.5° before surgery and 121.4° after it. There was no significant difference between before and after surgery in every item except the JOA total score and pain. Rupture of the transferred trapezius was recognized in 2 cases. The mean JOA total score in cases of Patte's procedure was 61.9 before surgery and 85.3 after it. The mean scores of each item were as follows : pain : 13.1→26.9, function : 11.6→17.1, range of motion : 18.9→22.3, X-ray : 4→4.8. The mean acromio-humeral interval was 6.7mm before surgery and 8.5mm after it. The mean angle of active elevation was 101.9° before surgery and 138.1° after it. There were significant differences between the before and after surgery in any item. In cases of trapezius transfer, only pain improved after the surgery. In cases of Patte's procedure, all of the pain, function, muscle power, and acromio-humeral interval improved significantly after the surgery.
  • 前田 美穂, 森 仁
    臨床神経生理学
    2021年 49 巻 6 号 469-473
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2021/12/22
    ジャーナル フリー

    反復神経刺激試験は神経筋接合部疾患の診断目的に使用されることが多い検査である。

    僧帽筋
    における同検査では筋等収縮のために筋の固定が必要だが, その固定は必ずしも容易ではない。正確にかつ簡便に
    僧帽筋
    記録での反復神経刺激試験を行うための記録法として,
    僧帽筋
    中部を記録筋とする手法を報告する。探査電極を
    僧帽筋
    上部 (従来法) と
    僧帽筋
    中部に置き, 振幅の変動を比較した。固定は被験者が座位で椅子を掴む方法を用いた。3 Hz 10回連続刺激を行い, 第1反応に対する減衰率 (%) に関して連続差平均を用いて検討した。通常使用される
    僧帽筋
    上部記録・筋固定ありの方法では振幅が一定しない場合でも,
    僧帽筋
    中部記録・筋固定なしでは振幅が一定し, 揺らぎが少ないことが示された。副神経の反復神経刺激試験において
    僧帽筋
    中部記録で筋の固定を行わない方法が有用である。

  • 高矢 憲一, 藤原 正利, 中井 一成, 吉田 圭二, 関本 善啓, 正本 和誉
    中部日本整形外科災害外科学会雑誌
    2014年 57 巻 6 号 1309-1310
    発行日: 2014/11/01
    公開日: 2015/02/05
    ジャーナル 認証あり
  • 伊藤 定之, 酒井 義人, 原田 敦
    中部日本整形外科災害外科学会雑誌
    2016年 59 巻 1 号 133-134
    発行日: 2016/01/01
    公開日: 2016/04/27
    ジャーナル 認証あり
  • 政所 和也, 甲斐 義浩, 古後 晴基, 村田 伸, 岩瀬 弘明, 後藤 昌史
    ヘルスプロモーション理学療法研究
    2018年 8 巻 2 号 47-50
    発行日: 2018/07/31
    公開日: 2018/10/05
    ジャーナル フリー

    本研究は,

    僧帽筋
    の筋硬度が肩甲骨運動におよぼす影響について検討した。対象は,肩疾患を有さない高齢者女性24名とした。筋硬度の測定部位は
    僧帽筋
    上部,
    僧帽筋
    中部,
    僧帽筋
    下部の3点とした。運動課題は肩甲骨面挙上とし,上肢挙上角30°から120°の範囲で肩甲骨上方回旋角,肩甲骨後傾角,および肩甲骨外旋角を抽出した。各測定部位の筋硬度(mean±SD)は,
    僧帽筋
    上部:1.0±0.2N,
    僧帽筋
    中部:1.2±0.2N,
    僧帽筋
    下部:1.5 ±0.1N であった。
    僧帽筋
    下部の筋硬度と上肢挙上90°(rs=‐0.41p<0.05),120°(rs=‐0.43p<0.05)における肩甲骨後傾角に有意な負の相関が認められた。その他の筋硬度と肩甲骨運動に有意な相関は認められなかった。これらの結果より,
    僧帽筋
    下部の筋硬度が高値なものほど,上肢挙上中期以降の肩甲骨後傾角が小さくなることが示された。

  • 小野 三嗣
    体力科学
    1963年 12 巻 1 号 13-41
    発行日: 1963/03/01
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    東京オリンピツク候補重量挙選手の三種目実施中の筋電図誘導記録, 並び16mmフイルムによる側面撮影を行つた結果, 大要次の如き所見を得た。
    1) ハイクリーンでは上腕2頭筋及び3角筋を主とし,
    僧帽筋
    がこれに協力, プレスの際は3角筋と
    僧帽筋
    が主働的な役割を果し, 3頭筋は中期以降に効果が強く, 上腕2頭筋及び腹直筋の収縮力も利用しているのが一般的な型である。
    2) スナツチでは3角筋,
    僧帽筋
    上部が主働的に働き, 初期に上腕2頭筋,
    僧帽筋
    下部が協力している。
    3) スクワツトクリーンでは, 上腕2頭筋, 3角筋が主で,
    僧帽筋
    が協力し, ジヤークでは3角筋,
    僧帽筋
    上部が主働筋となり, 初期に大腿直筋, 腓側広筋, 上腕2頭筋,
    僧帽筋
    下部の協力を得, 中期以降上腕3頭筋が働いてくるのが平均値的である。
    4) 挙上点数の高いものは, 低いものよりも筋群の動員の仕方が少く, 運動系のトレーニング効果は拡延的でなく, 集中的である。
    5) クリーンの初期のバーベル引上げ速度と, 中期の引上げ速度は正相関的関係にあるが, スナツチの場合はむしろ逆相関的である。
    6) ジヤークの場合は, 初速が最も支配的な影響をもつている。
    7) スナツチのジヤンプバックを防止するためには, バーベル引き上げ時の上肢の誘導力を強化し, その矢状面投影軌跡がS字状になるようにさせるべきである。
  • 池澤 秀起, 井尻 朋人, 高木 綾一, 鈴木 俊明
    理学療法学Supplement
    2012年 2011 巻
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに、目的】 肩関節疾患患者の肩関節挙上運動は、肩甲骨の挙上など代償運動を認めることが多い。この原因の一つとして、
    僧帽筋
    下部線維の筋力低下による肩甲骨内転、上方回旋運動の減少が挙げられる。そのため、患側上肢の運動により
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を促すが、可動域制限や代償運動により難渋する。そこで、患側上肢を用いない運動として、腹臥位での患側上肢と反対の股関節外転位空間保持が有効と考えた。腹臥位で股関節外転位空間保持は、股関節に加え体幹の安定を得るための筋活動が必要になる。この体幹の安定を得るために、股関節外転位空間保持と反対側の
    僧帽筋
    下部線維が作用するのではないかと考えた。そこで、
    僧帽筋
    下部線維のトレーニングに有効な股関節外転角度を明確にするため、外転保持が可能な範囲である股関節外転0度、10度、20度位における外転保持時の
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を比較した。また、各角度での
    僧帽筋
    下部線維の活動を、MMTで
    僧帽筋
    下部線維の筋力測定に用いる腹臥位での反対側の肩関節外転145度位保持時の筋活動と比較した。これにより、
    僧帽筋
    下部線維の活動がどの程度得られるかを検証した。【方法】 対象は上下肢、体幹に現在疾患を有さない健常男性14名(年齢23.1±3.7歳)とした。測定課題は、利き足の股関節外転0度、10度、20度位空間保持と、利き足と反対側の肩関節外転145度位空間保持とした。測定肢位は、ベッドと顎の間に両手を重ねた腹臥位とし、この肢位から股関節屈伸0度位で設定角度まで股関節外転させ、空間保持させた。肩関節外転位空間保持は、MMTでの
    僧帽筋
    下部線維の測定肢位である、肩関節145度外転、肘関節伸展、手関節中間位で空間保持させた。測定筋は利き足と反対側の
    僧帽筋
    下部線維とした。筋電図測定にはテレメーター筋電計(MQ-8、キッセイコムテック社製)を使用した。また、肩関節、股関節外転角度はゴニオメーター(OG技研社製)で測定した。測定筋の筋活動は、1秒間当たりの筋電図積分値を安静腹臥位の筋電図積分値で除した筋電図積分値相対値で表した。さらに、股関節外転位空間保持において、股関節外転角度の変化が
    僧帽筋
    下部線維の筋活動量に与える影響を調べるために、各外転角度での
    僧帽筋
    下部線維の筋電図積分値相対値を比較した。加えて、
    僧帽筋
    下部線維の活動量を確認するため、腹臥位での肩関節外転145度位保持時と、股関節外転0度、10度、20度位保持における各々の
    僧帽筋
    下部線維の筋電図積分値相対値を比較した。比較には一元配置分散分析及び多重比較検定を用い、危険率は5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】 対象者には本研究の目的及び方法を説明し、同意を得た。【結果】 股関節外転位空間保持での
    僧帽筋
    下部線維の筋電図積分値相対値は、股関節外転0度で14.6±10.9、10度で17.1±12.3、20度19.9±16.6となり、股関節外転角度の増減により有意な差を認めなかった。また、肩関節外転145度位保持時の
    僧帽筋
    下部線維の筋電図積分値相対値は17.6±9.9となった。股関節外転0度、10度、20度位保持時の
    僧帽筋
    下部線維の筋電図積分値相対値と、肩関節外転145度位保持時では全てにおいて有意な差を認めなかった。【考察】 腹臥位での股関節外転位空間保持で、
    僧帽筋
    下部線維の筋電図積分値相対値は、股関節外転角度の増減により有意な差を認めなかった。この要因として、ベッドによる体幹支持、体幹筋や
    僧帽筋
    下部線維を含めた肩甲骨周囲筋の活動など、様々な要素が脊柱や骨盤の固定に作用したためではないかと考える。 一方、腹臥位での肩関節外転145度位保持時と股関節外転0度、10度、20度位保持時の
    僧帽筋
    下部線維の筋電図積分値相対値を比較した結果、有意な差は認めなかった。つまり、全てにおいて同程度の
    僧帽筋
    下部線維の筋活動が生じていたといえる。このことから、腹臥位での股関節外転0度、10度、20度位保持は、上肢の運動を伴わずに反対側の
    僧帽筋
    下部線維の活動を促せるため、可動域制限や代償動作により筋活動を促すことに難渋する対象者の治療に活用できる可能性がある。しかし、股関節外転位空間保持による反対側の
    僧帽筋
    下部線維の活動は脊柱の固定に作用することが考えられるため、起始部付近の活動が主であることが推察される。そのため、上肢挙上時の
    僧帽筋
    下部線維の筋活動に直結するかは検討の余地が残ると考える。【理学療法学研究としての意義】 腹臥位での股関節外転0度、10度、20度位保持は、反対側上肢の
    僧帽筋
    下部線維のトレーニングに有効であることが示唆された。これは、可動域制限や代償動作により
    僧帽筋
    下部線維の活動を促すことが難しい対象に対して有効であると考えられた。
  • ―肩関節外転角度に着目して―
    池澤 秀起, 高木 綾一, 鈴木 俊明
    理学療法学Supplement
    2014年 2013 巻 0690
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/09
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】肩関節疾患患者の上肢挙上運動は,肩甲骨の挙上など代償運動を認めることが多い。この原因の一つとして,
    僧帽筋
    下部線維の筋力低下が挙げられるが,疼痛や代償運動により患側上肢を用いた運動で
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を促すことに難渋する。そこで,上肢の運動を伴わずに
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を促す方法として,腹臥位での患側上肢と反対側の下肢空間保持が有効ではないかと考えた。その結果,第47回日本理学療法学術大会において,腹臥位での下肢空間保持と腹臥位での肩関節外転145度位保持は同程度の
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を認めたと報告した。また,第53回近畿理学療法学術大会において,両側の肩関節外転角度を変化させた際の腹臥位での下肢空間保持における
    僧帽筋
    下部線維の筋活動は,0度,30度,60度に対して90度,120度で有意に増大したと報告した。一方,先行研究では両側の肩関節外転角度を変化させたため,どちらの肩関節外転が
    僧帽筋
    下部線維の筋活動に影響を与えたか明確でない。そこで,一側の肩関節外転角度を一定肢位に保持し,反対側の肩関節外転角度を変化させた際の
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を明確にする必要があると考えた。これにより,
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を選択的に促す因子を特定し,トレーニングの一助にしたいと考えた。【方法】対象は上下肢,体幹に現在疾患を有さない健常男性16名(年齢25.6±2.1歳,身長168.5±2.5cm,体重60.4±6.7kg)とした。測定課題は,利き腕と反対側の下肢空間保持とした。測定肢位は,腹臥位でベッドと顎の間に両手を重ねた肢位で,下肢は両股関節中間位,膝関節伸展位とした。また,空間保持側の上肢は肩関節外転0度で固定し,反対側の上肢は肩関節外転角度を0度,30度,60度,90度,120度と変化させた。肩関節外転角度の測定はゴニオメーター(OG技研社製)を用いた。測定筋は,空間保持側と反対の
    僧帽筋
    上部,中部,下部線維,広背筋とした。筋電図測定にはテレメトリー筋電計MQ-8(キッセイコムテック社製)を使用した。測定筋の筋活動は,1秒間当たりの筋電図積分値を安静腹臥位の筋電図積分値で除した筋電図積分値相対値で表した。また,5つの角度における全ての筋電図積分値相対値をそれぞれ比較した。比較には反復測定分散分析及び多重比較検定を用い,危険率は5%未満とした。【倫理的配慮,説明と同意】対象者に本研究の目的及び方法を説明し,同意を得た。【結果】
    僧帽筋
    下部線維の筋電図積分値相対値は,肩関節外転角度が0度,30度,60度に対して90度,120度で有意に増大した。広背筋の筋電図積分値相対値は,肩関節外転角度が30度,60度,90度,120度に対して0度で有意に増大した。
    僧帽筋
    上部線維,
    僧帽筋
    中部線維の筋電図積分値相対値は,全ての肢位において有意な差を認めなかった。【考察】先行研究と今回の結果から,腹臥位での下肢空間保持における
    僧帽筋
    下部線維の筋活動は,空間保持側と反対の肩関節外転角度の影響が大きいことが判明した。つまり,腹臥位での下肢空間保持は,空間保持側と反対の肩関節外転角度を考慮することで
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を選択的に促すことが出来る可能性が高いと考える。まず,腹臥位での下肢空間保持は,下肢を空間保持するために股関節伸展筋の筋活動が増大する。それに伴い骨盤を固定するために空間保持側の腰背筋の筋活動が増大し,さらに,二次的に脊柱を固定するために空間保持側と反対の腰背筋や
    僧帽筋
    下部線維の筋活動が増大することが考えられる。このことを踏まえ,
    僧帽筋
    下部線維の筋活動が肩関節外転0度,30度,60度に対して90度,120度で有意に増大した要因として,肩関節外転角度の変化により脊柱を固定するための筋活動が広背筋から
    僧帽筋
    下部線維に変化したのではないかと考える。広背筋の筋活動は肩関節外転30度,60度,90度,120度に対して0度で有意に増大したことから,肩関節外転0度では脊柱の固定に広背筋が作用したことが推察される。一方,肩関節外転角度の増大により広背筋は伸長位となり,力が発揮しにくい肢位となることが推察される。また,広背筋は上腕骨,
    僧帽筋
    下部線維は肩甲骨に停止することに加え,肩甲上腕リズムから肩関節外転角度の増大に対して,広背筋は
    僧帽筋
    下部線維と比較し伸長される割合が大きいことが推察される。その結果,肩関節外転角度の増大に伴い脊柱を固定するために
    僧帽筋
    下部線維の筋活動が増大したのではないかと考える。【理学療法学研究としての意義】腹臥位での下肢空間保持において,
    僧帽筋
    下部線維の筋活動は先行研究と同様の結果であったことから,空間保持側と反対の肩関節外転角度が
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を選択的に促す要因となる可能性が高いことが示唆された。
  • 池澤 秀起, 高木 綾一, 鈴木 俊明
    理学療法学Supplement
    2013年 2012 巻 A-P-11
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/20
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに、目的】肩関節疾患患者の肩関節挙上運動は、肩甲骨の挙上など代償運動を認めることが多い。この原因の一つとして、
    僧帽筋
    下部線維の筋力低下による肩甲骨内転、上方回旋運動の減少が挙げられる。理学療法の場面において、患側上肢の運動により
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を促すが、可動域制限や代償運動により難渋する。そこで、
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を促す方法として、腹臥位での患側上肢と反対側の股関節外転位空間保持が有効ではないかと考えた。その結果、第47 回日本理学療法学術大会において、腹臥位での股関節中間位空間保持と腹臥位での肩関節外転145 度位保持は同程度の
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を認めたと報告した。一方、先行研究では下肢への抵抗負荷を用いない自重負荷であったことから、下肢への抵抗負荷を考慮することで
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を選択的に促せるのではないかと考えた。腹臥位での股関節中間位空間保持において下肢への抵抗負荷の有無が
    僧帽筋
    下部線維や肩甲骨周囲筋の筋活動に与える影響を明確にし、
    僧帽筋
    下部線維のトレーニングの一助にしたいと考えた。【方法】対象は上下肢、体幹に現在疾患を有さない健常男性22 名(年齢25.4 ± 2.4 歳、身長168.9 ± 2.2cm、体重60.6 ± 4.0kg)とした。測定課題は、利き腕と反対側の股関節中間位空間保持とした。測定肢位は、ベッドと顎の間に両手を重ねた腹臥位で股関節中間位とした。測定筋は、股関節中間位空間保持側と反対側で利き腕側の
    僧帽筋
    上部線維、
    僧帽筋
    中部線維、
    僧帽筋
    下部線維とした。股関節中間位空間保持側への抵抗負荷量は、対象者の体重の0%、10%、30%、50%の重さを抵抗負荷量として設定し、Isoforce(オージー技研社製)を用いて測定した。抵抗負荷をかける位置は、大腿骨内側上顆と外側上顆を結んだ線の中点と坐骨を結んだ線分の中点とし、鉛直下方向に抵抗を加えた。筋電図測定にはテレメトリー筋電計MQ-8(キッセイコムテック社製)を使用した。測定筋の筋活動は、1 秒間当たりの筋電図積分値を安静腹臥位の筋電図積分値で除した筋電図積分値相対値で表した。また、抵抗負荷が無い場合(0%)、抵抗負荷が体重の10%、30%、50%とした場合の測定筋の筋電図積分値相対値を算出し、4 群全ての筋電図積分値相対値をそれぞれ比較した。比較には一元配置分散分析及び多重比較検定を用い、危険率は5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】対象者に本研究の目的及び方法を説明し、同意を得た。【結果】
    僧帽筋
    下部線維の筋電図積分値相対値は、抵抗負荷が0%に対して、抵抗負荷が30%、50%において有意に増加した。また、
    僧帽筋
    上部線維、
    僧帽筋
    中部線維の筋電図積分値相対値は、抵抗負荷が0%、10%、30%に対して、抵抗負荷が50%において有意に増加した。【考察】腹臥位での股関節中間位空間保持において、空間保持側と反対側の
    僧帽筋
    下部線維の筋電図積分値相対値は、抵抗負荷が0%に対して、抵抗負荷が30%、50%において有意に増加した。この要因として、脊柱の固定には体幹筋や肩甲骨周囲筋の選択的な筋活動ではなく、全ての筋群の協調的な筋活動により脊柱の固定を図るのではないかと推察する。このことから、腹臥位での股関節中間位保持における下肢への抵抗運動において
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を選択的に促すことは難しいのではないかと考える。また、
    僧帽筋
    上部線維、
    僧帽筋
    中部線維の筋電図積分値相対値は、抵抗負荷が0%、10%、30%に対して、抵抗負荷が50%において有意に増加した。低負荷での股関節中間位空間保持では、骨盤や脊柱を固定するために両側の腰部多裂筋の筋活動が作用したと推察する。一方、高負荷での股関節中間位空間保持では、骨盤や脊柱を固定するためにより大きな力が必要になる。そのため、腰部多裂筋など骨盤と脊柱に付着する筋群に加え、空間保持側と反対側の
    僧帽筋
    など脊柱と肩甲骨に付着する筋群の筋活動が増大することで脊柱の固定を図ったのではないかと考える。一方、肩関節挙上時に肩甲骨内転筋の筋緊張低下により肩甲骨外転位を呈する対象者は、高負荷での抵抗運動により
    僧帽筋
    上部・中部・下部線維の筋活動を総合的に促すことが可能となるため効果的なトレーニングになるのではないかと推察する。しかし、肩関節挙上時に
    僧帽筋
    上部線維の過剰な筋活動を認める対象者は、高負荷での抵抗運動は効果的ではないと考える。【理学療法学研究としての意義】腹臥位での股関節中間位空間保持課題において、抵抗負荷の増減により
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を選択的に促すことは難しいが、高負荷での抵抗運動は、肩関節挙上時に肩甲骨の内転運動が乏しい対象者のトレーニングとして効果的であることが示唆された。
  • 宮﨑 和, 島岡 秀奉, 山﨑 香織, 西本 愛, 森澤 豊
    理学療法学Supplement
    2012年 2011 巻
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに、目的】 肩関節の運動療法において,腱板機能不全の改善を目的とした運動課題や肩の主動作筋などの運動課題に関する知見は多く,臨床的にもこれらの筋の機能改善が重要視されている.しかし,肩関節疾患の患者に認められる肩関節運動変容として,いわゆる「肩の代償運動」でリーチ運動や挙上を行っている場合が多く,肩関節の機能的特性を考えると単一の筋群もしくは運動方向に対するトレーニングでは,挙上能力の改善に難渋する例もしばしば経験する.また腱板断裂術後患者では自動運動が許されるまでの間に修復腱板以外の健常な肩関節筋群が運動様式の変化とともに廃用に陥ることが予測され,その後の肩関節挙上,リーチ運動などの回復に長期間を要する.そこで今回われわれは,肩関節周囲筋の中でも体表にあり比較的表面筋電図の測定が容易な
    僧帽筋
    群に着目し,ADLおよびAPDLを考慮し立位における肩関節屈曲および外転運動における
    僧帽筋
    活動を健常者で検討したので報告する.【方法】 対象は健常男性7名(両肩14肢,平均年齢22.4±1.8歳)とし,被検筋は左右の肩関節の
    僧帽筋
    上部・中部・下部線維とした.測定は,両上肢を下垂し後頭隆起および臀部を壁に接触させた立位を開始肢位とし,運動課題は両側肩関節屈曲および外転位を30°,60°,90°の合計6パターンで各5秒間保持させ,各運動とも3回施行した.各運動課題中の筋活動は,NeuropackS1(日本光電製)にて導出し,得られた5秒間のEMG値のうち安定した3秒間の積分値を算出し,左右3回試行分の平均EMG積分値を個人のデータとした.統計学的処理として,屈曲および外転運動とも各筋の30°での平均EMG積分値を100%とし,平均EMG積分値の規格化を行った上で,7名(14肩)の各
    僧帽筋
    の線維毎に各運動課題における筋活動の相対的な変化を一元配置の分散分析にて比較した.【倫理的配慮、説明と同意】 対象者には事前に本研究の目的・方法と研究参加に関するリスクと個人情報の管理に関する被検者説明書を作成し十分な説明を行った上で,紙面にて同意を得た.【結果】 各筋の屈曲および外転30°での平均EMG積分値を100%とした場合,肩関節屈曲動作において,角度60°では
    僧帽筋
    上部線維は157%,中部線維111%,下部線維163%となり,90°では
    僧帽筋
    上部線維350%,中部線維114%,下部線維190%となり,
    僧帽筋
    上部および下部線維に屈曲角度の増加に伴う筋活動の増大がみられた(P<0.01).一方,肩関節外転運動においては,角度60°で
    僧帽筋
    上部線維239%,中部線維164%,下部線維96%となり,90°では
    僧帽筋
    上部線維568%,中部線維245%,下部線維117%となった.外転角度の増加ともない
    僧帽筋
    全線維に筋活動の増大がみられ,特に
    僧帽筋
    上部および中部線維にその変化が顕著であった(P<0.01).【考察】 肩関節屈曲運動では,肩甲上腕関節の動きに伴い肩甲骨は上方回旋する.肩甲骨の上方回旋は前鋸筋と
    僧帽筋
    上部・下部線維の共同した活動により出現する.過去の報告では,
    僧帽筋
    下部線維は起始を肩甲棘内側縁に持つため肩甲骨上方回旋の支点となる.また肩甲上腕関節を屈曲保持した場合,肩甲骨に前傾方向へのモーメントが発生し,この前傾モーメントを制動するのが
    僧帽筋
    下部線維であるとされる.本研究でも肩関節屈曲時に
    僧帽筋
    上部・下部線維の筋活動が増加しており,これら
    僧帽筋
    群の協調した筋活動により肩甲骨上方回旋が起こっていることが示唆され,立位時の肩関節屈曲時においても,
    僧帽筋
    下部線維が肩甲帯の安定性に機能すると推察された.一方,肩関節外転運動では肩甲骨に下方回旋モーメントが発生し,これを制御するために鎖骨外側・肩峰・肩甲棘上縁に付着する
    僧帽筋
    上部・中部線維が活動するとされ,本研究においても,肩関節外転時に
    僧帽筋
    上部・中部線維の筋活動が増加しており,立位時においてもこれらの
    僧帽筋
    群が協調して肩甲骨を内転方向に固定し,肩甲帯の安定性に機能することが推察された.【理学療法学研究としての意義】 本研究は,立位でのリーチ運動や空間保持における肩関節周囲筋の活動様式を確認する上で,重要な筋電図学的分析であると考える.また肩関節疾患患者の挙上運動における,いわゆる「肩の代償運動」の要因を検討する際に必要な知見であると考えられ,より効果的な理学療法プログラムの立案のために必要性の高い研究であると考える.
  • 植木 努, 曽田 直樹, 池戸 康代, 山田 勝也, 藤橋 雄一郎
    理学療法学Supplement
    2011年 2010 巻 PI2-257
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/26
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    上肢挙上動作は上腕骨と肩甲骨の複合運動により行われ、完全な挙上を行うためには肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節の十分な可動域が必要である。加えて脊柱の伸展が上肢挙上を補助しているといわれており、脊柱アライメントは上肢挙上動作と関係している。先行研究において、座位での上肢挙上動作時の脊柱アライメントを測定し、150°以上では120°以下と比較して胸椎後彎角が減少し、腰椎前彎角は増加する(甲斐、2010)ことや、立位での上肢挙上動作においては胸椎後彎角の減少と骨盤傾斜角の増加がみられ、腰椎前彎角に変化は見られなかった(上田、2009)と報告されている。つまり胸椎後彎の減少が上肢挙上動作に対して重要であるのではないかと考えられる。また肩甲胸郭関節における肩甲骨の上方回旋は
    僧帽筋
    及び前鋸筋によって行われ、特に
    僧帽筋
    下部線維は90°以上での肩甲骨の上方回旋に重要であるとされている。さらに
    僧帽筋
    は脊柱に起始していることから、脊柱アライメントに影響している可能性がある。しかし
    僧帽筋
    の活動と脊柱アライメントの関連性に関する報告は見あたらない。本研究は上肢前方挙上時の
    僧帽筋
    の活動と脊柱アライメンの関係について調査した。
    【方法】
    対象者は健常男性13名、年齢25.6±5.5歳、身長173.5±5.5cm、体重67.8±7.3kgであった。測定肢位は立位、上肢は前腕回内外中間位とした。視線は目線の高さに合わせたマーカーを注視させた。上肢挙上角度は45°、90°、135°、最大挙上位とし、ゴニオメーターにより角度を確認し保持させた。脊椎のアライメントはSpinal Mouse(Index社製)を用い、各挙上角度における第7頚椎から第3仙骨までの脊柱傍線上を計測した。計測データから矢状面の胸椎後彎角、腰椎前彎角、仙骨傾斜角を算出した。 胸椎と腰椎の彎曲は、後彎を正、前彎を負とし、仙骨傾斜角は、前傾を正、後傾を負とした。筋活動量の測定には,表面筋電計(NORAXON 社製 TELEMYO G2)を用い、各挙上角度における3秒間の筋活動をサンプリング周波数1000Hzで取り込んだ。得られたデータは筋電図解析ソフト(NORAXON 社製MYORESEARCH XP)を用い、50msec毎の二乗平均平方根により平滑化し、3秒間の各筋の最大等尺性収縮を100%として正規化し%EMGを算出した。なお測定筋は
    僧帽筋
    上部線維、
    僧帽筋
    下部線維とした。統計学的分析は,各挙上角度での
    僧帽筋
    上部線維、
    僧帽筋
    下部線維の筋活動量および胸椎後彎角、腰椎前彎角、仙骨傾斜角について反復測定による分散分析を用い、多重比較(Bonferroni)により検定を行った。また挙上角度ごとの胸椎後彎角、腰椎前彎角、仙骨傾斜角と
    僧帽筋
    上部線維、
    僧帽筋
    下部線維の筋活動量との関連性にはPearsonの相関係数を使用し検討した。有意水準は5%とした。
    【説明と同意】
    全ての対象者に対し本研究の趣旨を十分に説明し、参加の同意を得てヘルシンキ宣言を遵守しながら実施した。
    【結果】
    脊柱アライメントにおいて、胸椎後彎角は45°、90°、135°と比較して最大挙上位に有意な減少が認められた(P<0.05)。仙骨傾斜角は45°、135°と比較して最大挙上位に有意な増加が認められた(P<0.05)。また腰椎前彎角に有意差は認められなかった。筋活動量の変化においては、
    僧帽筋
    上部線維は全ての角度において有意差を認め、角度の増加に伴い筋活動量の増加が認められた(P<0.05)。
    僧帽筋
    下部線維は45°と比較して90°、135°、最大挙上位に有意な増加が認められた(P<0.05)。筋活動量と脊柱アライメントの相関関係は、最大挙上位における
    僧帽筋
    下部線維と胸椎後彎角(r=0.579)でのみ有意な正の相関が認められ(P<0.05)、その他の相関関係は認められなかった。
    【考察】
    本研究の結果より、上肢前方挙上時の胸椎後彎角は最大挙上位において減少し、仙骨傾斜角は最大挙上時に増加することが示唆された。また
    僧帽筋
    上部線維は屈曲角度の増加に伴い活動量は増加することが示唆された。
    僧帽筋
    下部線維は90°以上において活動量が増加することが示唆され、更に最大挙上位での
    僧帽筋
    下部線維の筋活動量と胸椎後彎角に相関が認められた。一般的に
    僧帽筋
    下部線維は肩甲胸郭関節における肩甲骨の上方回旋と下制に作用し、特に最終挙上位にそれを維持する働きがあるとされている。加えて今回の結果から最終挙上位において胸椎後彎を減少させることで、上肢挙上に関与するという知見が得られた。
    【理学療法学研究としての意義】
    上肢前方挙上時の
    僧帽筋
    の活動と脊柱アライメントの関連性の一端が提示され、特に最終挙上位では
    僧帽筋
    下部線維と胸椎後彎を複合的に捉えることが必要である。
  • ―前腕の回内・回外角度に着目して―
    池澤 秀起, 井尻 朋人, 鈴木 俊明
    理学療法学Supplement
    2015年 2014 巻 P1-B-0145
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/30
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】肩関節疾患患者の上肢挙上運動は,肩甲骨の挙上など代償運動を認めることが多い。この原因の一つとして,
    僧帽筋
    下部線維の筋力低下が挙げられるが,疼痛や代償運動により患側上肢を用いた運動で
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を促すことに難渋する。そこで,上肢の運動を伴わずに
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を促す方法として,腹臥位での患側上肢と反対側の下肢空間保持が有効ではないかと考えた。その結果,第47回日本理学療法学術大会において,腹臥位での下肢空間保持における反対側の
    僧帽筋
    下部線維の活動と,腹臥位での肩関節外転145度位保持側の
    僧帽筋
    下部線維の活動は同程度であったと報告した。また,第53回近畿理学療法学術大会では,腹臥位での下肢空間保持で肩関節外転角度を変化させた際の
    僧帽筋
    下部線維の活動は,0度,30度,60度に対して90度,120度で有意に増大したと報告した。一方,先行研究は全て前腕回内位で測定したため,前腕回内・回外角度の変化が
    僧帽筋
    下部線維の筋活動に影響を与えるのかは明確でない。そこで,腹臥位での下肢空間保持において前腕回内・回外角度の変化が
    僧帽筋
    下部線維の筋活動に与える影響を明らかにし,
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を選択的に促すためのトレーニングの一助にしたいと考えた。【方法】対象は上下肢,体幹に現在疾患を有さない健常男性21名(年齢25.7±2.9歳,身長168.8±5.3cm,体重61.0±6.7kg)とした。測定課題は,利き腕と反対側の下肢空間保持とした。測定肢位は,腹臥位でベッドと顎の間に両手を重ねた肢位で,下肢は両股関節中間位,膝関節伸展位とした。また,両上肢は肩関節外転90度で固定し,前腕は手掌がベッドに接地する回内肢位と,手掌が顎に接地する回外肢位とした。肩関節外転角度の測定はゴニオメーター(OG技研社製)を用いた。測定筋は,下肢空間保持側と反対の
    僧帽筋
    上部・中部・下部線維,三角筋前部・中部・後部線維,広背筋とした。筋電図測定にはテレメトリー筋電計MQ-8(キッセイコムテック社製)を使用した。測定筋の筋活動は,1秒間当たりの筋電図積分値を安静腹臥位の筋電図積分値で除した筋電図積分値相対値で表した。また,算出された筋電図積分値相対値を対応のあるt-検定を用いて比較した。危険率は5%未満とした。【結果】
    僧帽筋
    下部線維の筋電図積分値相対値は,前腕回内位で12.2±11.2,回外位で11.6±6.7となり,肢位の変化により有意差を認めなかった。三角筋後部線維の筋電図積分値相対値は,前腕回内位で28.4±19.9,回外位で20.0±12.8となり,前腕回外位と比較し回内位で有意に増大した。その他の筋群の筋電図積分値相対値は,前腕回内位,回外位の変化により有意差を認めなかった。【考察】今回の結果から,腹臥位での下肢空間保持時の
    僧帽筋
    下部線維の筋活動は,前腕の肢位による影響を受けにくいことが判明した。つまり,腹臥位での下肢空間保持は,前腕の肢位に関係なく
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を促せる可能性が高い。そのため,脳卒中などにより前腕の自由度が乏しく強制肢位を呈した対象者でも,適応可能な運動療法になることが示唆された。一方,今回の研究で,前腕回内・回外の変化により
    僧帽筋
    下部線維の筋活動に有意差を認めなかった。今回の研究では,前腕を可動域のほぼ最終域まで回内,回外させるため,周辺の軟部組織に強い伸張を強制することが推察される。そのため,手関節の回外に対しては,肩甲骨を前傾させることで上腕や前腕の空間的な位置が変化し,結果的に周辺組織に作用する負荷を回避させるのではないかと考えた。その結果,肩甲骨の前傾に対して姿勢を保持するために,肩甲骨の後傾に作用する
    僧帽筋
    下部線維の筋活動が増大するのではないかと考えた。しかし,前腕の回内外の変化に対して
    僧帽筋
    下部線維の筋活動に有意差を認めなかったことから,前腕の回内外が肩甲骨の前後傾に与える影響は乏しいのではないかと考える。一方,今回の研究において,前腕の回内外により肩甲骨ではなく上腕骨に回旋が生じた可能性も挙げられる。その結果,三角筋後部線維の筋走行が変化し,三角筋後部線維の筋活動に有意差が生じたのではないかと推察した。しかし,今回の研究では前腕の回内外の変化が上腕骨に与える影響を測定していないため今後の検討課題となった。【理学療法学研究としての意義】腹臥位での下肢空間保持において,
    僧帽筋
    下部線維の筋活動は前腕の回内外の変化により有意差を認めなかった。このことから,前腕の肢位に関係なく腹臥位での下肢空間保持を行うことで,空間保持側と反対側の
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を促せることが示唆された。
  • 肘関節の屈曲・伸展角度に着目して
    池澤 秀起, 井尻 朋人, 鈴木 俊明
    理学療法学Supplement
    2017年 2016 巻 O-KS-03-2
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/24
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに,目的】

    肩関節疾患患者の上肢挙上運動は,肩甲骨挙上など代償運動を認めることが多い。この原因の一つに,

    僧帽筋
    下部線維の筋力低下が挙げられるが,疼痛や代償運動により患側上肢を用いた運動で
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を促すことに難渋する。そこで,上肢の運動を伴わずに
    僧帽筋
    下部線維の筋活動を促す方法として,腹臥位での患側上肢と対側の下肢空間保持が有効ではないかと考えた。腹臥位での下肢空間保持は股関節伸展筋の活動が必要となる。一方,骨盤の肢位を保持するために空間保持側の骨盤と脊柱などに付着する筋肉の活動が必要となり,同様に脊柱の肢位を保持するために空間保持側と対側の脊柱と肩甲骨などに付着する筋肉の活動が増大するのではないかと考えた。先行研究にて筋活動を検証した結果,腹臥位での下肢空間保持時の対側の
    僧帽筋
    下部線維の活動と,腹臥位での肩関節外転145度位保持側の
    僧帽筋
    下部線維の筋活動は同程度であった。先行研究では肩関節外転角度などの肢位を変え
    僧帽筋
    下部線維の活動を測定したが,全て肘関節屈曲位での測定であった。そこで,肘関節肢位の変化が
    僧帽筋
    下部線維の活動に与える影響を明確にし,
    僧帽筋
    下部線維の活動を促すためのトレーニングの一助にしたいと考えた。

    【方法】

    対象は健常男性14名(年齢24.6歳,身長170.1cm,体重61.9kg)とした。測定課題は,利き腕と反対側の下肢空間保持とした。測定肢位は,腹臥位で両股関節中間位,両膝関節伸展位,両肩関節外転90度,両前腕回内位とし,肘関節伸展0度と肘関節最大屈曲位で測定した。測定筋は,下肢空間保持側と反対の

    僧帽筋
    上部・中部・下部線維,三角筋後部線維,棘下筋,両側多裂筋とした。筋電図測定にはテレメトリー筋電計MQ-8(キッセイコムテック社製)を使用した。測定筋の筋活動は,1秒間当たりの筋電図積分値を安静腹臥位の筋電図積分値で除した筋電図積分値相対値で表した。算出された筋電図積分値相対値は正規分布を認めなかったため,Wilcoxonの符号付順位和検定を用いて比較した。比較は,肘関節屈曲,伸展位条件間で行い,危険率は5%未満とした。

    【結果】

    僧帽筋
    下部線維,三角筋後部線維の筋電図積分値相対値は,肘関節伸展位と比較し屈曲位で有意に増加した。
    僧帽筋
    下部線維,三角筋後部線維の中央値は肘関節屈曲位で10.2,28.0,肘関節伸展位で5.2,17.0であった。その他の筋電図積分値相対値は肘関節肢位の変化による有意差を認めなかった。

    【結論】

    腹臥位での下肢空間保持課題は,肘関節伸展位と比較し屈曲位で

    僧帽筋
    下部線維の筋活動を促せる可能性が高いことが示唆された。また,肘関節伸展位と比較し屈曲位で三角筋後部線維の筋活動も有意に増大した。このことから,肩関節水平外転運動に作用する三角筋後部線維の筋活動の増大に対して,起始部の肩甲骨の安定性を高めるために
    僧帽筋
    下部線維の筋活動も有意に増大したのではないかと考える。

  • 佐藤 晋也, 飯田 勝彦, 高橋 憲正, 菅谷 啓之, 酒井 大輔, 三枝 奨
    日本アスレティックトレーニング学会誌
    2020年 5 巻 2 号 159-163
    発行日: 2020/04/30
    公開日: 2020/06/05
    ジャーナル フリー

    本研究は

    僧帽筋
    下部に対して実践している筋力トレーニングの筋電図解析を行い,トレーニングの比較・検討を行うことを目的とした.対象は健常男性9名で,
    僧帽筋
    下部に対するトレーニング3種目(エクササイズ「Y」・「A」・「U」)を実施し,
    僧帽筋
    上部・中部・下部・三角筋後部の筋活動の%MVCの比較を行った.「Y」は「U」・「A」よりもすべての筋において有意に高い筋活動を示し,「U」は「A」よりもすべての筋において有意に高い筋活動を示した.以上の結果から「Y」は
    僧帽筋
    下部の強化に最も期待ができると考えられ,「U」は胸椎の伸展可動性を引き出しながら
    僧帽筋
    下部の強化を行う場合有効なトレーニングと考える.

  • 梁瀬 義章, 石田 文明, 田中 清介, 辻本 晴俊
    肩関節
    1990年 14 巻 1 号 64-67
    発行日: 1990/09/01
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    Injury to the spinal accessory nerve leads to paralysis of the trapezius muscle. The lesion results in winging of the scapula, weakness of flexion and abduction and asymmetry of the neck line. Sixteen patients with trapezius paralysis, aged 4-68years (mean 41.2 yrs. ), were evaluated.
    Fifteen patients sustained injury to the nerve in the posterior cervical tria n gle. In thirteen patients the nerve was damaged during lymph node biopsy or surgical invasion and in two patients the injury was caused by a car accident. Paralysis of the trapezius muscle occured, with resulting deformity and loss of shoulder abduction above 90 degrees. Seven patients were operated on. Nerve repair in four patients and muscle transfer in three patients were carried out. All surgically treated patients were followed up for more than one year. Conservative treatment of paralysis of the trapezius usually is unsuccessful. Exploration and repair of the injured nerve within six months after injury gives the best results. The purpose of this paper is to describe our experiences with nerve repair and muscle transfer. If the spinal accessory nerve has been injured, operative exploration or repair should be carried out within one year affer injury.
    If the diagnosis is made after one year, muscle transfer should be performed.
  • 島岡 秀奉, 西本 愛, 宮崎 和, 山崎 香織, 津野 良一, 福島 美鈴, 谷岡 博人, 濱窪 隆, 三宮 真紀, 松木 由貴子, 森澤 豊
    理学療法学Supplement
    2015年 2014 巻 P2-A-0615
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/30
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】腱板断裂術後患者では,自動運動開始時に肩関節挙上に伴い肩甲骨の過剰な挙上運動が出現する,いわゆる「代償運動」を伴う症例をしばしば経験する。治療には,運動時痛の状況や運動機能評価など基に,症状に適した運動課題を選択する必要がある。しかし,術後の自動運動開始時における肩周囲筋の筋活動に関する報告は少なく,肩甲骨の代償運動がどのように生成されているのかについては不明な点が多い。そこでわれわれは,腱板断裂患者における術前後の肩関節挙上運動における断裂側,非断裂側の三角筋,
    僧帽筋
    の筋活動を表面筋電図にて比較,検討したので報告する。【方法】対象は健常男性7名(両肩14肢,平均年齢22.4±1.8歳 以下,健常群)と腱板断裂患者(男性)11名(両肩22肢,平均年齢66.3±9.2歳 以下,断裂群)である。運動課題は,開始肢位を安楽座位とし肩関節屈曲および外転運動を30°,60°,90°の合計6パターンで各5秒間保持させ,各運動とも2回施行した。表面筋電図の導出は,Neuropack X1(日本光電製)を使用し,被験筋は三角筋中部繊維と
    僧帽筋
    上部,中部,下部繊維とした。断裂患者では術前後に計測を行い,計測前に日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準(以下,肩JOA)と他動ROM測定を行い運動課題が可能であるかを判定した。なお術後計測は,90°屈曲,外転が可能となった状態から1週間以上経過を観察し,課題を安全に行えることを確認し計測した。得られた筋電図波形は,各運動とも5秒間の筋電図波形のうち安定した3秒間の積分値を求め,2回試行分の平均筋電図積分値(以下,iEMG値)を算出した。iEMG値の規格化は,健常者では右肩関節の屈曲および外転30°でのiEMG値を100%とし,断裂患者では非断裂側の肩関節の屈曲および外転30°を100%とし各運動における相対値を算出した。統計学的処理は,算出した相対値から健常群では各運動における左右差,断裂群では,術前および術後の各運動における断裂側,非断裂側の筋活動の比較を2元配置分散分析にて求めた。【結果】健常群では,屈曲・外転運動とも左右の筋活動に有意差は認められなかった。断裂群の術前計測が可能であった症例は8名で,術後計測が可能であったものは9名,術前後の両方計測が可能であった症例は6名であった。なお手術から術後計測までは平均58.7±20.7日であった。肩JOAは,術前計測が可能であった8名の平均値が70.1±12.4点,術後計測が可能であった9名の平均値が75.8±10.0点であり,術後計測したほぼ全例で疼痛項目の得点が改善していた。術前の肩関節屈曲運動は,断裂側
    僧帽筋
    上部繊維,外転では,断裂側
    僧帽筋
    中部,下部繊維に筋活動の増加を認めたが有意差はなかった。術後は肩関節屈曲運動において断裂側
    僧帽筋
    上部,中部繊維の活動の増加を認め(P<0.05),外転では,断裂側
    僧帽筋
    中部,下部繊維の活動の増加を認めた(P<0.05)。【考察】今回の研究では,腱板断裂術後の自動運動開始時における肩関節運動の表面筋電図を計測し,健常群と異なり断裂群では,術後の屈曲,外転運動において断裂側
    僧帽筋
    の過活動が認められた。木田らは,腱板断裂術後患者の肩関節外転運動における代償運動の定量化を表面筋電図により試み,肩外転時に
    僧帽筋
    上部繊維の活動が増加していたことを報告している。また島津らは,広範囲断裂患者の食事動作において,肩甲骨の安定化として
    僧帽筋
    を優位に活動させていたと報告している。今回の結果も過去の報告に類似し,修復腱の機能低下もしくは修復腱への過負荷を避けるために,
    僧帽筋
    が肩甲骨動態を変化させたことが考えられ,屈曲運動では
    僧帽筋
    上部,中部繊維を過活動させることで肩甲骨を過度に挙上・内転させ,外転では,
    僧帽筋
    中部,下部繊維を過活動させ,肩甲骨を脊柱に引き寄せ下制させることで下方回旋モーメントを生成したと推察する。さらに術後患者の多くが肩JOAの得点が改善していたことより,腱板の修復過程において修復腱の機能低下を補う肩甲骨の代償運動であることが示唆される。【理学療法学研究としての意義】腱板断裂患者の運動療法において,遭遇する機会の多い「肩甲骨の代償運動」に着目し,腱板断裂手術例を対象に,三角筋,
    僧帽筋
    筋活動の計測を行った。今回の結果から腱板断裂術後では肩関節屈曲運動時に断裂側
    僧帽筋
    上部,中部繊維,外転では,断裂側
    僧帽筋
    中部,下部繊維を過活動させることで肩甲骨の代償運動が生成されていることが推察され,術後の運動課題設定の一助となる知見であると考える。
  • 速い肘関節屈伸運動による洗髪動作における検討
    早田 荘, 赤松 圭介, 藤本 将志, 田尻 恵乃, 水上 俊樹, 貝尻 望, 大沼 俊博, 渡邊 裕文, 鈴木 俊明
    理学療法学Supplement
    2010年 2009 巻 O2-056
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    臨床にて、腱板断裂を受傷し肩関節鏡視下腱板縫合術を施行された症例の理学療法を経験した。本症例は理学療法により肩関節の関節可動域や腱板筋の筋力は改善した。しかし洗髪動作時に肩甲骨の過剰な外転、挙上、前傾がみられ、
    僧帽筋上部線維や肩甲挙筋の過活動と僧帽筋
    下部線維に機能不全を認め、肘関節屈伸運動の速度が低下し、洗髪動作の実用性に問題が残った。症例のニーズである洗髪動作の実用性向上のためには、肘関節屈伸運動の速度を上げる必要があった。そのため肩甲骨の過剰な外転、挙上、前傾に対して、その安定化に作用するとされる
    僧帽筋
    下部線維に対し選択的に治療を実施した結果、速い速度で肘関節屈伸運動が可能となり、洗髪動作の実用性が向上した。この経験から我々は、先行研究にて洗髪動作模倣課題遂行時の
    僧帽筋
    各線維の筋活動について、肘関節屈伸運動速度を40・80・120・160回/分と変化させ、表面筋電図を用いて検討した。今回、より日常生活場面の洗髪動作に必要と考えられる速い速度での洗髪動作模倣課題中の
    僧帽筋
    各線維の筋活動を明確にする目的で、先行研究と同じ肢位で肘関節屈伸運動速度を200回/分に変化させ、洗髪動作模倣課題中の
    僧帽筋
    各線維の筋電図を測定した。その結果、
    僧帽筋
    下部線維の筋活動で先行研究とは異なる傾向を得たので、知見を踏まえ報告する。
    【方法】
    対象は整形外科・神経学的に問題のない健常男性7名で、測定肢位は両足底を接地させた端座位とした。そして測定側上肢の肩関節を屈曲110度、水平屈曲45度にて肘頭部に設置した台を指標にこの肢位を保持させ、肘関節の屈伸運動を実施した。この肘関節屈伸運動においては、中指が後頭隆起から頭頂までの範囲で往復する運動を一回とした。この時の運動速度は、メトロノーム(SEIKO社製)を用いて1分間に200回の速度にした。そして課題遂行時に電計ニューロパック(日本光電社製)を用い、
    僧帽筋
    上部・中部・下部線維、上腕三頭筋長頭の筋電図を測定した。測定時間は10秒間とし、3回測定した。また課題遂行中の肩甲骨の動きと肘関節運動をビデオカメラにて撮影し分析をおこなった。
    【説明と同意】
    本実験ではヘルシンキ宣言を鑑み、あらかじめ説明された本実験の概要と侵襲、および公表の有無と形式について同意の得られた被験者を対象に実施した。
    【結果】
    筋電図測定の結果、
    僧帽筋
    上部・中部線維は課題遂行時に持続的な筋活動を認めた。また
    僧帽筋
    下部線維の筋活動は、課題遂行時に肘関節の屈伸運動に対応した振幅の律動的な変化を認めた。そして上腕三頭筋長頭の筋活動は、肘関節伸展運動時に筋活動の増加を認めた。ビデオカメラでの画像分析より、本課題遂行中に肩甲骨は肘関節屈伸運動に伴って胸郭上を上外側および下内側へ律動的に動いていた。
    【考察】
    先行研究にて
    僧帽筋
    下部線維は、肘関節の屈伸運動速度40・80・120・160回/分において持続的な筋活動を示し、肘関節屈伸運動速度の増加に伴い筋活動も増加傾向を認めた。また課題遂行中の肩甲骨は、著明な動きを認めなかった。そのため
    僧帽筋
    下部線維は、課題遂行時の肩関節肢位保持に際して、肩甲骨に生じる前傾方向の力学的モーメントに対して常に制動に関与していたと考えた。また課題である肘関節屈伸速度の増加に伴い生じる肩甲骨の不安定性に対して、肩甲骨上方回旋位での下制・内転作用として肩甲骨の安定化に関与し筋活動を漸増させていたと考えた。しかし本研究結果における
    僧帽筋
    下部線維の筋活動は、課題である200回/分の肘関節屈伸運動に対応して、筋活動の振幅に律動的な変化を認めた。また本課題中の肩甲骨は、200回/分の肘関節屈伸運動に伴って、上外側および下内側への律動的な運動を認めた。このことから今回の課題遂行時の肩甲骨は、胸郭上での固定だけではなく、上外側および下内側へ律動的に動くことにより肘関節の速い屈伸運動に対応し、
    僧帽筋
    下部線維はその肩甲骨の動きを保障するために律動的な筋活動が必要になると考えた。
    【理学療法学研究としての意義】
    洗髪動作は肩関節を保持し、肘関節の屈伸運動を行う日常生活の中で特異的な動作であると考える。洗髪動作の遂行パターンには多様性があるが、頭髪・頭皮の洗浄のために速い肘関節屈伸運動が日常的に繰り返される。今回の研究結果から、200回/分の肘関節屈伸運動を伴った洗髪動作では、動作中の肩甲骨の上外側および下内側への律動的な動きに対する
    僧帽筋
    下部線維の協調的な活動が必要になると考えられる。このため、肩甲胸郭関節に障害を有する患者の洗髪動作に対する評価・治療をおこなう際には、より日常生活場面での洗髪動作速度を考慮して実施する必要があると考えられる。特に200回/分での肘関節屈伸運動における肩甲骨と
    僧帽筋
    下部線維との関係性に着眼する事の必要性が示唆された。
  • 香田 郡秀, 木塚 朝博, 有田 祐二, 鍋山 隆弘
    武道学研究
    2009年 41 巻 3 号 13-21
    発行日: 2009/03/31
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    This study focused on the activity of the left trapezius muscles during two fundamental kendo strikes: the basic large shomen-uchi (straight attack to the head in which the shinai is swung in a large arch) and the competition-style small shomen-uchi (straight attack to the head in which the shinai is swung in a small arch). We used electromyography (EMG) to investigate differences between the muscle activity of high-level college kendoists who competed regularly on the college team and midlevel college kendoists who practiced with the team, but did not compete with it.
    The participants were 10 high-level and 10 midlevel male members of the University of T(varsity)Kendo Club. Participants performed both the large shomen-uchi and the small shomen-uchi seven times each and completed a survey asking them to “indicate the groups of muscles you use during a large shomen-uchi and those you use during a small shomen-uchi. ”
    We then described methods for instruction of the shomen-uchi based on results of the above investigation.
    1. Duration of left trapezius muscle activity
    For both groups of participants, the duration of EMG activity of the left trapezius muscles was significantly shorter in the small shomen-uchi than in the large one. Concerning the latter, no significant difference between groups was seen in the duration of muscle activity. However, in the small shomen-uchi activity, a significant difference was evident, the higher-level kendoists exhibiting longer durations of activity than the midlevel kendoists. In fact, no left trapezius muscle activity was recorded for 5 out of 10 midlevel players.
    2. Perception of use of the left trapezius muscles
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