佐賀市市販のきゅうり、まくわうり、なす、さやえんどう、グリンピース、キャベツ、だいこん、はくさい等についてそのビタミンC量を測定し文献値と比較した。
(1) きゅうりの総Cは年平均13.81mg%、酸化型C2.08mg%、還
元型
C11.73mg%で、総Cの最高19.0mg%、最低6.53mg%、月平均では8月が最高、1月が最低で、季節による変化は一般に春に低く夏から秋にかけて高い。総Cの平均値は文献値の92%であった。
(2) まくわうり7月、8月の平均で総C32.16mg%、酸化型C7.10mg%(乳鉢使用)、還
元型
C25.06mg%で総Cの最高38.10mg%、最低22.0mg%であり平均値は文献値の160%となった。
(3) なす6~10月の平均で総C5.16mg%、酸化型C1.62mg%、還
元型
3.54mg%で、総Cの最高7.64mg%、最低3.80mg%で平均値は文献値の103%になった。
(4) さやえんどう4~5月の平均で総C56.14mg%、酸化型C1.74mg%、還
元型
C54.4mg%で総Cの最高は69.4mg%、最低38.80mg%、平均値は文献値に比して著しく高く約281%となった。
(5) グリンピース5月の平均で総C29.39mg%、酸化型C0.71mg%、還
元型
C28.67mg%で総Cの最高31.65mg%、最低25.80mg%で平均値は文献値の196%となった。
(6) キャベツ年間平均で総C44.59mg%、酸化型C1.37mg%、還
元型
C43.22mg%、総Cの最高63.6mg%、最低28.35mg%で月平均では3月が最高、次いで、5月、2月、4月の順位で春が一般に高値であった。最低は1月、次いで8月であった。文献値に対しては低く約89%となった。
(7) だいこん年間平均値は総C18.96mg%、酸化型C0.57mg%、還
元型
C18.39m3%で、総Cの最高32.50mg%、最低10.75mg%で、月平均では8月が最高で9月、7月がこれにつぎ夏季に高く、最低は1月であった。
文献値との比較では漸くその60%であった。
(8) はくさい11~3月までの結果は総C16.15mg%、酸化型C0.51mg%、還
元型
C15.64mg%であり、総Cの最高は19.50mg%、最低13.75mg%で平均値は文献値に比して極めて低く漸く40%に達するに過ぎなかった。
(9) 試料調製の際乳鉢磨砕のものとミキサー処理のものとの比較では総Cは両者に差異は認められないが酸化型Cでは明らかにミキサー処理の方が低く、従って還
元型
はこの方が高くでる。この事は乳鉢では磨砕に時間がかかるため還
元型
Cの一部が酸化されるものと推定されるのでミキサー処理の方が適当と判断する。
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