アスぱラガスをサイズ別に湯煮し,缶容器に肉詰めした後,注汁,脱気,密封し,115.2~119.9℃でそれぞれ30分間加熱した缶詰,および115.2℃で20~50分間加熱した缶詰を作製し,内容物の褐変度と“たわみ”を測定した。得られた結果を要約すれば次のようである。
(1) 115.2℃で加熱されたアスパラガスは,20~50分の範囲において,加熱時間の経過にともない“たわみ”が増加する。
(2) 115.2~119.9℃で30分間加熱した場合,加熱温度が上昇しても,“たわみ”は顕著に増加しない。
(3) 大形アスパラガスは,小形に比し,同一加熱条件下における“たわみ”は小さい。
(4) 加熱による褐変は,サイズ別に顕著な差異は認められない。
(5) 115.2℃の加熱では,40分以上において褐変が顕著となる。また,115.2~118.8℃の温度範囲では30分の加熱により,褐変度の差異は少ないが,119.9℃では明らかに褐変する。
(6) G~Cサイズでは,湯煮時聞を30秒とすれば,115.2~118.8℃で30分,または115.2℃で30~40分。M~Lサイズでは,湯煮時間を15秒とすれば,115.2℃で30分。m~Sサイズでは,湯煮時間を15秒とすれば,115.2℃で20~30分が適当な加熱条件といえる。
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