筆者らはこれまで、「笑いのある話術を学ぶことでコミュニケーション能力を形成できる」との視座から考察を進め、「笑いのある話術」を技術とした定型化の可能性とその教育効果についての知見を得た。本稿はその実証研究として、自ら創作し演じることで他者との関わりを学ぶ「おもしろ自己紹介セミナー」から、日常のコミュニケーションで用いられる「笑いの分類」の定型化のモデルについて考察するものである。考察の結果、日常のコミュニケーションで用いられる笑いは次の4点に分類できた。(1)自らの名前や外見の特徴を活用する、(2)仕事や趣味,経験を活用する、(3)演者としてプロフェッショナルを演じる、(4)自ら創作したストーリーを展開する。今後とも実証データを増やすことで、精緻の高い分類とすることが課題である。
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