Hydrangea macrophylla(和名:ガクアジサイ)や
H. serrata(和名:ヤマアジサイ)などハイドランジア属の花序は装飾花と両性花から構成されており,この装飾花の
八重咲き
性が近年重要な育種目標となっている.そこで,ハイドランジア装飾花の
八重咲き
性の遺伝様式を明らかにするために,
H. macrophylla,
H. serrata および両種の雑種系統を供試し,交雑後代における
八重咲き
性を調査した.
八重咲き
品種を種子親,一重咲き品種・系統を花粉親とした 11 交雑組み合わせのうち,3 交雑組み合わせにおいて
八重咲き
個体が得られた.
八重咲き
個体が得られた交雑組み合わせは,種子親の
八重咲き品種の祖先にあたる八重咲き
品種が,花粉親の一重咲き系統の親と同一の
八重咲き
品種‘城ケ崎’の場合で,八重と一重の分離比は 1:1 であった.一方,種子親の
八重咲き品種と花粉親の一重咲き系統の親にあたる八重咲き
品種が異なる組み合わせでは,すべて一重咲きで
八重咲き
個体は得られなかった.また,一重咲き系統間の 4 交雑組み合わせのうち,2 交雑組み合わせにおいて八重:一重が 1:3 の分離比で得られた.
八重咲き
個体が得られた交雑組み合わせは,種子親および花粉親の両方の系統が同一の
八重咲き
品種‘城ケ崎’由来か,‘隅田の花火’由来の場合であった.以上の結果から,ハイドランジアにおける装飾花の
八重咲き
は,一対の遺伝子に制御された劣性形質であること,この劣性ホモの遺伝子が同一の
八重咲き品種から由来している場合にのみ八重咲き
個体を獲得できる可能性が高いことが明らかとなった.
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