当初切除不能と診断された巨大胃gastrointestinal stromal tumor (以下GIST)に対しメシル酸イマチニブの投与により切除した1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.症例は66歳の男性,貧血の精査にて腹腔全体を占める巨大腫瘤と肝に転移を疑わせる多発病変を指摘された.生検にて胃GISTと診断され切除不能と判断,メシル酸イマチニブ400mg/日の投与開始した.
投与後腫瘍は著明に縮小し,胃全摘,肝左葉切除,肝S6部分切除を施行した.切除標本ではすべての病巣が液状化(内部透明,漿液性)しており,病理組織検査でviable tumor cellは認められなかった.
術後の遺伝子解析ではc-kit遺伝子Exon11に変異を認めた.
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