輸血機能評価認定(I&A)は旧
制度
では普及が進まなかった.そこで,新
制度
開始後約3年間の取り組みを検証し,日本での意義を検討した.対象は2016年1月~2019年3月に認定された新規49,更新51施設とし,地域毎の分布や指摘項目の内容を分析した.
認定施設の地域別では東北・東海支部で多かった.新規認定施設での視察時の平均指摘項目数は,認定必須項目で2.6,重要項目で5.3であった.認定項目で最も指摘の多かったのは血液製剤の保管管理に関する項目で,次いで,血液型の二重確認,自己血採血時の副作用対応であった.一方,重要項目では副作用の管理・対策に関する項目が上位を占めた.また,自己評価と視察員の評価が分かれた項目は平均6.0項目あり,第三者評価の重要性も示唆された.
今回の検討でI&Aは輸血医療の重要事項を中心に安全性を向上させると考えられた.今後はこの有用性について輸血医療関係者との情報共有を進めると共にI&Aの視察員や認定施設関係者から輸血に携わる医療従事者に広く情報を発信し,さらに輸血の安全文化を推進できるようなI&Aプログラムを構築していきたい.
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