本研究は廃棄物の再生資源化を目的とし, 上水汚泥を緑化基盤材として用い, 実際ののり面への適応を試みた. のり面緑化基盤材には植物の生育を活発にさせる有機的要因と降雨に対するのり面の安定性が求められている. このため土壌のpH, 硬度, 含水率, 植生ではC/N比, 成長度合, のり面の安定性等の測定・検討を行った. 実験モデルにおいて土壌硬度は植物の生育上支障が無い範囲であり, また降雨によるのり面崩壊も認められなかった. さらに植生は順調に成長し, 被覆率は100%に達し, のり面表層部の安定性に十分寄与した. これらの結果から, 上水汚泥が, のり面緑化基盤材として実用可能であると結論づけられた.
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