コラム中立軸が結合面に垂直な場合についてボルト結合部の静的挙動およびそれが荷重点変位に及ぼす影響について実験的考察と解析を試み,さらにこの裏付けのため,フランジ部を弾性床上のはりに近似して解析した結果次のことが明らかとなった.
(1) 結合部変形は,結合部彎曲変形と結合部横方向変形とからなり,前者はボルトの伸び,フランジ部の変形,フランジ部のベースへの沈み込みにより構成される.
(2) 荷重点変位の特性は結合部彎曲変形に大きく影響され,また結合部彎曲変形による変位
x1は,結合面分離開始前でも,荷重点変位の約10%を占め,分離が進むにつれ30%にも達する.
(3) 結合部彎曲変形に対する最適締付間隔は,ボルトの
剛性とフランジ部の剛性
の相互関係により決定される.
(4) 結合部横方向変形に対する最適締付間隔は,結合面の圧力分布状態とフランジ部のベースへの沈み込みの相互関係によって決定される.
(5) フランジ部を断面形状がステップ状に変化する弾性床上のはりに近似することにより,結合面の分離が生じない範囲で結合部彎曲変形をほぼ解析できる.
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