アクリジンの9位置換直鎖アルキル基の炭素鎖数 [アクリジン (C
0) (1) -9-
n-オクチルアクリジン (C
8) (9)] と抗かび作用 [初期効力 (IS) と持続作用 (DF) で評価] 間の相関性を3pH領域 (pH3.7, 5.2, 7.0) で検討した。その結果, 明確な規則性をもつ相関関係は認められなかったが, 任意の各pH領域には効力をより効果的に与える至適炭素鎖数の存在が以下のように示唆された。
IS;pH3.7 : C
7 (8) >C
6 (7), C
5 (6) >C
8 (9), C
4 (5) >C
0 (1), C
1 (2), C
2 (3), C
3 (4)
pH5.2 : C
0 (1) >C
4 (5) >C
5 (6) >C
3 (4) >C
7 (8), C
1 (2) >C
2 (3) >C
8 (9) >C
6 (7) pH7.0 : C
0 (1) >C
1 (2) >C
4 (5) >C
3 (4) >C
5 (6) >C
6 (7) >C
7 (8) >C
8 (9) >C
2 (3)
DF;pH3.7 : C
7 (8) >C
5 (6) >C
6 (7) >C
4 (5) >C
8 (9) >C
1 (2) >C
0 (1) >C
2 (3), C
3 (4)
pH5.2;C
4 (5) >C
5 (6) >C
7 (8) >C
6 (7) >C
8 (9) >C
3 (4) >C
0 (1) >C
1 (2) >C
2 (3)
pH7.0 : C
7 (8) >C
6 (7) >C
8 (9) >C
5 (6) >C
1 (2) >C
0 (1) >C
2 (3), C
3 (4), C
4 (5)
すなわち, ISによる抗かび作用の評価では特にに強酸性領域 (pH3.7) で, リポイド可溶性 (疎水性) 増加の予測される炭素鎖数増加にともなった効力増強現象が確認された。弱酸性領域 (pH5.2) と中性領域 (pH7.0) ではC0の無置換アクリジン (1) の効力が最強であったものの, 一部の炭素鎖数間で炭素鎖数増加にともなった効力減少または増強現象が認められた。また, 強酸性領域よりも中性, 弱酸性領域に, より強い作用が現れることがわかった。一方DFによる抗かび作用の評価では炭素鎖導入効果が認められた。特に中性領域ではC0からC7までは炭素鎖数増加にともなった効力増加現象が確認され, 強酸性と弱酸性領域ではC5-C8の炭素鎖数間で奇数個の置換基ごとに相対的に高いDFが認められることがわかった。また, 中性, 弱酸性領域よりも強酸性領域において高いDFが現れることもわかった。
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