低出力レーザーは, 末梢循環障害の改善作用・組織再生などの生体反応を期待して, 疼痛・麻痺などの治療に応用されている。本論文では, 末硝性顔面神経麻痺25症例に対して低出力Nd: YAGレーザー照射治療の有用性について検討した。方法は低出力Nd: YAGレーザー装置の先端照射出力を300mWに設定し, 照射回数は週1~2回, 患側星状神経節と茎乳突孔に各10分~15分間照射した。治療効果は著効9例 (36.0%)・有効13例 (52.0%)・無効3例 (12.0%) で有効率88.0%であった。低出力Nd: YAGレーザー治療は, 星状神経節ブロックに比べその簡便性と生体に無侵襲な治療法であり, 今後広く普及することが期待される。
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